公的資金による研究においては科学と社会のあり方に基づく研究公正が問われ,ICT 環境の進展や市民の関心とともに,研究不正発見が新しい展開を見せている。
研究公正に対する取組みは研究者を萎縮させるものではなく,健全な研究による科学の発展,産業・文化の構築のために行われるべきものである。オープンサイエンスのムーブメントにより,透明性がより高く,様々な研究への貢献が認められる環境,研究プラットフォームを作り出す可能性が生まれている。研究成果の出版,発信のあり方,研究成果の質の保証の方法が今後大きく変わりうることを踏まえ,研究者が正当に認められ,研究不正が起こりにくい新しい環境を醸成する必要がある。
抄録全体を表示