情報の科学と技術
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66 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
特集:研究倫理
  • 南山 泰之
    2016 年 66 巻 3 号 p. 97
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
  • 林 和弘
    2016 年 66 巻 3 号 p. 98-102
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    公的資金による研究においては科学と社会のあり方に基づく研究公正が問われ,ICT 環境の進展や市民の関心とともに,研究不正発見が新しい展開を見せている。
    研究公正に対する取組みは研究者を萎縮させるものではなく,健全な研究による科学の発展,産業・文化の構築のために行われるべきものである。オープンサイエンスのムーブメントにより,透明性がより高く,様々な研究への貢献が認められる環境,研究プラットフォームを作り出す可能性が生まれている。研究成果の出版,発信のあり方,研究成果の質の保証の方法が今後大きく変わりうることを踏まえ,研究者が正当に認められ,研究不正が起こりにくい新しい環境を醸成する必要がある。
  • 小林 信一
    2016 年 66 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    2015 年度から研究不正の新しいガイドラインが適用され,大学等での研究倫理教育も始まった。そこでは,研究ノート等の研究データの作成・保管が一つの焦点となっている。本稿は,研究不正がなぜ起きるのか,研究不正の定義,研究不正の証明や認定のルールとその中で研究データが重要な役割を果たすことを論ずる。これらのルールが意味することは,かつて研究データは研究者個人の私的領域に属するものだと考えられていたが,公共的領域に属するものになったということである。このことは,研究データの管理や機関の責任にも変化を迫る。さらにオープンデータの動きは,機関に研究データの体系的管理を要請している。
  • 白楽ロックビル
    2016 年 66 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    研究不正(本稿ではねつ造・改ざん・盗用をまとめて「研究ネカト」と呼ぶ)に対する日本の防止策は,米国に約25 年遅れ,現在も,遅れたままである。研究ネカトに対する日本の「関心」はとても低い。「関心」が低ければ,対策も不十分で,知識・スキル・考え方は貧弱になる。本稿では,日本の現状を少しでも良くするために,海外から学ぶ点を指摘した。それらは,米国・研究公正局(ORI),学術出版規範委員会,出版後論文議論サイトの設立・活動・対処であり,また,ミレーナ・ペンコーワ,ドンピョウ・ハン,ディーデリク・スターペル,アンジェラ・エイドリアン,スコット・ルーベンなどの事件例,捕食出版社,査読偽装の新動向である。
  • 佐藤 翔
    2016 年 66 巻 3 号 p. 115-121
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    近代の学術コミュニケーションを最も特徴づけているのは査読制度の存在である。しかし増大し続ける研究者数とその生産論文数に,査読制度は対応できておらず,限界を迎えつつある。その結果,従来から存在した,査読者による不正や査読者のバイアス等の問題に加え,近年では査読者の不足,詐称査読,投稿者による不正等の新たな問題が起きている。これらの問題に対応するため,Publons やポータブル査読,オープン査読,査読の質保障等の新たな取り組みが現れている。しかしこれらの延命措置によって査読制度を維持し続けることができるのか否かは現状,未知数である。
    Editor's pick

  • 岡部 晋典, 逸村 裕
    2016 年 66 巻 3 号 p. 122-127
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,学生への倫理教育と研究者の倫理について述べる。前半では学生への倫理教育のなかで,しばしば問題視されるコピペレポートを取り上げる。具体的には大学の初年次教育が必要になった背景に触れ,コピペレポートに対する方策や機械的な抑止力等について述べる。後半では,研究者の研究倫理,研究ガバナンスについて述べる。近年の研究者を取り巻く状況や,それに関連するさまざまな不正が指摘されている。これらにまつわる事例として,オープンアクセスジャーナルや査読にまつわる問題等とその対応を取り上げる。最後に,不正を起こさせないガバナンスの必要性について述べる。
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