情報の科学と技術
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66 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
特集:歴史学の転回
  • 福山 樹里
    2016 年 66 巻 4 号 p. 142
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
  • 和田 一夫
    2016 年 66 巻 4 号 p. 143-147
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    過去の企業経営を知ろうと思えば,経営体が自ら生み出した文書(経営文書)の利用が不可欠となる。ただ日本で文書というと「手書き文書」のみを連想しがちである。しかし複製技術の進展だけでなく,企業規模の拡大もあって19世紀後半から「複製文書」が経営文書の中心になっている。こうしたことを踏まえて,かつ「複製文書」のデジタル化が進行していることを考えにいれながら文書の保存体制を整えていく必要がある。経営文書の保存について,日本の場合を考えて見ると,どこに何が保存されているかという利用者にとって重要な情報さえも整備されていないのが実情である。
  • 小池 聖一
    2016 年 66 巻 4 号 p. 148-152
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    大学アーカイブズは,必ずしも全ての大学に設置されているわけでないが,大学の個性に対応した形態をとり,その個性に相応する個人文書を所蔵している。反面,大学アーカイブズでは,これまで機関アーカイブズとして,当該機関の諸記録に目配りすることが忘失されがちであった。その点で,二室体制をとる広島大学文書館では,公文書管理法の政令指定機関となり,公文書の統一的管理を果たす一方,大学史資料室が個人文書を学術的資料として収集・整理・公開し,多様な個人文書を所蔵している。今後,アーカイブズは,全体として検証と底辺拡大の二方向を有しているが,課題は大きい。個人文書については,国立国会図書館憲政資料室,大学アーカイブズ,その他のアーカイブズとの連携による調査・研究機関が必要ではないだろうか。
  • 齋藤 歩
    2016 年 66 巻 4 号 p. 153-159
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    本論の目的はアーキビストが書誌情報検索システムをどのように活用しているかを明らかにすることである。そのためにアーカイブズ学における「記述標準」の考え方を整理して検索手段を分析した。はじめに記述標準を三つのレベルに分類してそれぞれの役割を確認した。ここでは1989年にリサ・ウェーバーが提示した分類を用いた。次にその記述標準の活用例を観察した。対象をスミソニアン協会のアメリカ美術アーカイブズの検索手段として,MARCとEADをどのように使い分けているかを整理した。最後に二種類の検索手段の構成要素を比較して,アーキビストによる記述の実践を明らかにした。
  • 矢野 正隆
    2016 年 66 巻 4 号 p. 160-165
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,デジタル・メディアの保存に関する課題を踏まえて,メディア一般を対象とする保存の在り方を再検討する。まず,一般にメディアは,それが伝える意味内容(メッセージ)とこれを載せるモノ(キャリヤー)の二つの側面からなること,また,そのメッセージには,その内容に当たる側面だけでなく,発信・受信という伝達行為そのものに関わる側面も含まれることを指摘する。次に,メッセージをメディアのどこに見出すかは,受信者によって異なるが,その相異が,博物館・図書館・文書館が収集の対象とするメディアにおいてそれぞれどのように現れるかを考察する。これを通じて,メディア保存の現状に一石を投ずることを目的とする。
  • 佐々木 利和
    2016 年 66 巻 4 号 p. 166-169
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル フリー
    著者の博物館勤務の経験から,現在の博物館・文書館・図書館に通じる問題を指摘する。博物館においては館蔵品のモノとしての特性を熟知している専門職員が重要であるが,取り扱い方法や保存方法など,口伝や見て覚えることによる知識を獲得するには長期間の現場経験が必要であり,大学教育では不十分であるし指定管理者制度にも馴染まない。文書資料も装幀・紙質などモノとしての特性を持つから,図書館・文書館でも事情は同様である。専門知識を持つ学芸員・司書・アーキビストの養成とその知識の総合化の適切な方法を確立することが,記憶を担ったモノを後世に伝えるために急務である。
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