情報の科学と技術
Online ISSN : 2189-8278
Print ISSN : 0913-3801
ISSN-L : 0913-3801
70 巻, 12 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
特集:第17回情報プロフェッショナルシンポジウム
  • 林 和弘
    2020 年 70 巻 12 号 p. 567
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー

    いつもなら“第○回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO)にご参加,ご発表頂いたみなさまありがとうございました。”から始まることが多い実行委員長の振り返り記事は,今年において,特殊にならざるを得ない状況となりました。

    COVID-19によって,我々は未知のウィルスに対応するという試練を与えられ,INFOPRO運営を直撃しました。学協会におけるもっとも重要な活動の一つに,年次大会を開いて会員が参集し,情報交流を通じて知己を得ることがあり,INFOSTAの看板シンポジウムであるINFOPROがその役割を果たしてきました。その開催が危ぶまれたというのは,学協会の存続にかかわることでもありました。委員長としては,他の学協会大会の様子や判断を観察しながら,委員と共に様々なオプションを検討し,判断材料を整えていきました。個人的な気持ちとしては,1990年代より電子ジャーナル化という,今でいうデジタルトランスフォーメーションの端緒に携わり,現在オープンサイエンスという科学の変容を志向する調査研究と実践に邁進して来ましたので,今回はむしろデジタルトランスフォーメーションの千載一遇のチャンスであり,何も挑戦せずに単に中止や縮小するという選択はあり得ませんでした。その一方で,INFOSTAのリソースは限られており,また,スケジュールの都合もありましたので,理想的あるいは独善的なオンライン開催を行うわけにもいきませんでした。委員長として現実的な落としどころを見つける必要があり,慎重に検討を重ねました。その結果として,INFOPRO2020自体は誌上開催としつつ,Plusとして希望者によるオンライン発表の機会を作り,電子ポスターやプロダクトレビューも加えた紙とオンラインのハイブリッドと開催となりました。運用においても,zoomの導入を中心として手探りながらも段取りつけて当日を迎え,今後のオンライン開催の目途をつけ,また,課題を見つけることができました。この経験と得られた知見はINFOSTAにとって大きな資産となったのではないでしょうか。

    より詳しい,開催までの経緯や当日の裏話等については,本号の座談会記事をご覧いただきたいと思いますが,何より嬉しかったのは,致命的なトラブルは全くなく,また,他のイベントで多くで経験したような遅延や座長や発表者の戸惑いもほとんどなかったことです。最後の最後に委員長の閉会の挨拶で,マイクトラブルが起きたのはご愛敬ですが,本当に最後に唯一起きたトラブルだった思います。これも一重に山﨑会長を筆頭とするINFOSTA三役,理事のご英断をはじめとする,実行委員,そして事務局のみなさまのご尽力とチームワークがあってのものでした。特に川越副委員長におかれては,特別講演の調整やリハーサルの指揮を含め様々にご尽力いただきました。この場を借りて関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

    今回のこの経験,知見を生かして,来年のINFOPRO2021に向けてインフォプロの新たな出発をより確実かつ魅力的なものにできるよう,みなさまのご賛同とご協力を改めてお願いする次第です。また,今回のINFOPROはINFOSTAの歴史の特異点であり,また大きな転換点となる可能性が非常に高いと思われます。そこで,このインシデントとその対応について様々に記録して後世に残すことが重要と考え,通常の特別講演や一般発表の聴講記事に加えて,電子ポスターや運営の裏側を語る座談会に関するものやアンケート結果など,会誌編集委員会との連携によりさまざまな記事を企画しました。それらの記事も是非ご覧いただき,奇譚のないご意見や今後に向けた示唆を賜ればと思います。COVID-19は学協会の変容を確実に進め,また,その変容はまだ緒に就いたばかりともいえます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

    (INFOPRO2020 実行委員会委員長 林 和弘)

    INFOPRO2020 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(ジー・サーチ),委員:矢口 学(科学技術振興機構),小山信弥(関東学院大学),鷹野芳樹(クラリベイト),廣田拓也(クラリベイトジャパン),山中とも子(㈱ファンケル),担当理事(正):増田 豊,担当理事(副):佐藤京子,棚橋佳子,吉野敬子,谷川 淳

  • 2020 年 70 巻 12 号 p. 568-570
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー
  • 長塚 隆
    2020 年 70 巻 12 号 p. 571-575
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー

    現在多くの人に関心を持たれている書籍「FACTFULNESS」の翻訳者である関美和氏による特別講演「実録FACTFULNESS 大ヒットの舞台裏」がオンライン開催された。講演者はハンス・ロスリングらによる「FACTFULNESS」がどのようにして生まれたのか。さらに,日本語版への翻訳と出版がどのようなプロセスを経て実現されたのか講演者の経験を踏まえて紹介された。日本語版への翻訳と出版の舞台裏ではどのような工夫と努力がなされていたのかを,講演者の豊富な経験を踏まえて語られたので,多くの参加者は講演に引き付けられた。

  • 2020 年 70 巻 12 号 p. 576-579
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー
  • 前田 亜寿香
    2020 年 70 巻 12 号 p. 580-583
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー
  • 小山 信弥
    2020 年 70 巻 12 号 p. 584-585
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー
  • INFOPRO2020実行委員会
    2020 年 70 巻 12 号 p. 586-590
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー
連載:情報科学技術に関する識別子 第8回
3i研究会報告
  • 塩谷 綱正, 神谷 昌男, 髙梨 睦, 堀池 彰夫, 橋本 道枝
    2020 年 70 巻 12 号 p. 595-599
    発行日: 2020/12/01
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー

    自治体は,高齢化をはじめとした複雑な社会課題に向き合うことが求められている。従来,社会課題の抽出手法として集団討議やデータ解析等が存在しているが,特定の自治体の社会課題を客観的,かつ,合理性高く成立させた手法はない。そこで本研究では,高齢化を題材に,客観性を保ちながら,その地域における新規な社会課題を抽出する手法を検討した。市議会議事録を情報源として採用し,ベンチマーク都市と調査対象都市の比較を行うという本研究で検討した手法により,各自治体にとって,高齢化に関する新規な社会課題を客観性高く抽出できることがわかった。本研究で検討した手法は,自治体での活用が期待される。

書評・新刊紹介
協会記事
feedback
Top