情報の科学と技術
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72 巻, 2 号
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特集:大学における動画の活用
  • 今満 亨崇
    2022 年 72 巻 2 号 p. 37
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル フリー

    情報伝達媒体としての動画を考えてみると,文字情報に比べて大量の情報を一度に伝えることができたり,編集による表現の幅が広いため,発信者のメッセージをより効果的に受け手に伝えることができます。その特性から,娯楽や広告での利用はもちろんのこと,業務研修や講義配信なども行われてきました。

    大学では,従来より広報のために動画が利用されてきたほか,特にCovid-19の流行以降は講義を動画で配信するなど,動画活用の動きは加速しています。そこで今月号では,動画を活用する上で必要な基礎知識から,実際の利活用事例を紹介し,動画の活用を促すための特集を企画しました。

    まずは辻泰明氏(筑波大学)に動画の特性や普及状況を整理した上で,社会に与える影響や活用の方向性について広く論じていただきました。その後,斎賀和彦氏(駿河台大学)に動画を作成する上での基礎知識を整理していただきました。実際の動画作成フローを元に,各ステップで非常に実用的なアドバイスをいただいております。

    これらを基礎的な知識としてインプットした上で,より理解を深めていくため,永田正樹氏(静岡大学)及び宮原俊之氏(帝京大学)に,特に大学での動画作成の目的となる広報と教育の観点から,どのような動画が良いと考えられるか,ご執筆いただきました。

    最後に,動画の効率的な管理方法について考えるため,三浦和己氏(国立映画アーカイブ)に国立映画アーカイブが動画管理に用いているデータベースについて,どのようにデータを管理しているのかを中心にご紹介いただきました。

    本特集を,皆様の所属機関での動画作成にお役立て頂けますと大変嬉しく存じます。

    (会誌編集担当委員:今満亨崇(主査),池田貴儀,中川紗央里,長谷川智史)

  • 辻 泰明
    2022 年 72 巻 2 号 p. 38-43
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル フリー

    インターネット動画が興隆し,テレビに代わって映像メディアの首座に就きつつある。動画が有する特性の根幹は双方向性にある。この特性は,個人による全世界への映像コンテンツ発信を可能にし,ビデオブログ,ゲーム実況など,新たなジャンルを産み出した。また,映像による日常のコミュニケーションが促進される一方,決定的瞬間をとらえた動画が容易に拡散されるようになり,社会にさまざまな影響を与えている。動画は,送り手にとっても受け手の情報を得られるという利点をもたらす。視聴者データの分析による内容の改善,役割に応じたコンテンツの作り分けと配置などといった編成の工夫により,動画の特性を十全に発揮した活用が可能である。

  • 斎賀 和彦
    2022 年 72 巻 2 号 p. 44-48
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル オープンアクセス

    カメラの普及,その動画ファイルを編集,加工するパソコンの低価格化と普及により,動画制作はプロだけのものではなく身近になった。時を同じくするように拡大したコロナ禍におけるオンライン授業の流れは,教育における講義用の動画コンテンツ制作を加速し,多くの教育関係者が動画制作に関与せざるを得なくなった。しかし,動画作成と言っても,その範囲は広く何億ドルというハリウッド映画からTikTokのような数十秒に満たないショートビデオまで含むと,その制作思想も手法も多岐に渡る。本稿では主に大学での発信を想定した広報(インフォメーション),講義配信を基本として制作フローの解説と基礎知識のまとめを行う。

  • 永田 正樹
    2022 年 72 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル オープンアクセス

    静岡大学では2013年より動画配信ポータルサイト「静岡大学テレビジョン(SUTV)」を運用している。静岡大学テレビジョンの目的は,学部や研究,大学行事,サークル活動などを,動画を用いて配信し,大学の広報力を向上することである。昨今,動画は広報媒体として重要かつ効果の高い手段である。本稿では,静岡大学テレビジョン運用によるこれまでの研究を概説し,動画を用いた大学広報に対して効果的な知見や手法を紹介する。

  • 宮原 俊之
    2022 年 72 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル オープンアクセス

    オンライン授業が多くの大学で行われるようになり,動画の教育利用は大きく取り上げられることになったが,単に動画を使うことだけでは学習効果が得られるかはわからない。動画をあくまで教育手段の一つと捉え,動画を含めた授業コンテンツを独り立ちさせることによって,オンライン授業における学習効果は期待できる。誌面の関係もあり,本稿では,オンライン授業の「動画」を作成する際に考えたいこと留意したいことを中心に,授業設計の手順から動画作成のポイントまでを順にまとめたほか,運用に際しては組織的な支援が求められることについても触れている。

  • 三浦 和己
    2022 年 72 巻 2 号 p. 61-66
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル オープンアクセス

    映画の製作及び流通の過程においては,情報量やフォーマットの違い,使用目的に応じた特性の違いによって,様々なバリエーションのデータが生成される。同様にこれらのデータを保存するメディアも,バックアップを目的として用途に応じた複数の種類が生成される。デジタル映画の保存を目的としたデータベースを考える上で,これら様々なバリエーションのデータとメディアをどのように分類し,管理するかが重要なポイントとなる。本稿では,この分類上の考え方を中心に,データベースの構成,項目について,国立映画アーカイブで検討中の方針を具体例として挙げ,紹介する。

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