関西医科大学雑誌
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43 巻 , 4 号
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  • 山村 學
    1991 年 43 巻 4 号 p. 369-384
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 永田 昌弘
    1991 年 43 巻 4 号 p. 385-414
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    ウサギの海馬発作発射発現が中枢神経活動および末梢神経活動に及ぼす影響を,電気生理学的に検討した.100Hz,1msec,2.OV-4.OV,30秒間の電気刺激による海馬発作発現により,脳幹網様体・大脳皮質・海馬刺激による覚醒反応および誘発筋放電の刺激閾値は上昇し,脳幹網様体の自発性単位放電の放電頻度は減少した.視床のnucl ventralis anterior(以下VA)破壊後では,脳幹網様体・海馬刺激による上記の反応および脳幹網様体自発性単位放電に対するこの抑制的影響が有意に抑えられた.また薬物(Barbiturate・Carbamazepine)の投与により,海馬発作発現による抑制的影響は有意に抑えられた.脛骨神経刺激により大脳皮質にあらわれる体性感覚誘発電位(Nl ,N2,N3,P,N4,N5,N6,N7)のなかで,とくにN4-N7の振幅は海馬発作発現により減少し,また海馬にあらわれる体性感覚誘発電位(HN1,HN2,HN3,HN4,HN5,HN6)では,とくにHN1,HN2,HN6の振幅が減少した.この体性感覚誘発電位における海馬発作発現による抑制的影響は,VA破壊および上記の薬物投与により有意に抑えられた.侵害反射性筋放電,M波およびH波は海馬発作発現により抑制された.これらの反射機能に及ぼす海馬発作発現による抑制的影響は,VA破壊後では依然として認められたが,上記の薬物投与後では有意に抑えられた.次に光刺激により上眼瞼部に誘発されるmicrovibration(MV)は海馬発作発現により抑制された.この海馬発作発現によるMVへの抑制的影響はVA破壊および上記の薬物投与により有意に抑えられた.脳波トポグラフィでは,海馬発作発現によりデルタ・シータ・アルファ・ベータ1帯域にて絶対パワー値が有意に減少したが,VA破壊後ではこの傾向が認められなかった.以上の実験成績より,海馬発作発現は脳幹網様体機能,運動機能,反射機能等を抑制し,発作発射の波及にVAの関与することが明らかとなった.
  • 大久保 進, 石田 萌子, 安永 幸二郎
    1991 年 43 巻 4 号 p. 415-420
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1989年9月,厚生省は「輸血療法の適正化に関するガイドライン」を制定し,血液製剤の適正使用を強く要請している.当院で1990年に使用された血液製剤は58318単位で,うち各製剤の占める割合は赤血球製剤(CRC)15 .7%,血小板製剤(PC)35、9%,新鮮凍結血漿(FFP)48.4%であり,3年前に比べPC製剤は2.1倍,FFPは1.4倍に増加した.一方,赤血球製剤の使用量はほぼ一定であり,FFPは過剰使用と言われそいる本邦の平均33 .6%より更に高い.赤血球製剤においては適正使用の指標となるC/T比(輸血単位数に対する交差試験実施単位数の比)は1.5以下が適正とされているが,当院における各診療科別のC/T比は最低1.0から最高6.5,平均は2.4であり,特に外科系では3.6と高い.その原因として,手術用血液の過剰申し込み,未使用血液の病棟滞在日数の延長などが考えられた.これらの対策の二つとして,1990年12月よりType&Screen(T&S)とMaximum Surgical Blood Order Schedule(MSBOS)を導入した.その結果,1991年1月31日までにT&Sが実施されたのは5診療科の計24例であり,その全例で輸血を必要としなかった.また,FFPにおいては,1990年7月よりガイドラインに沿った払い出し制限を行った結果,1ヵ月間に1402単位減少したが,臨床的に特に問題は起こらなかった.今後,T&S,MSBOSの対象症例や実施数を増やし,未使用血液の早期返却などの基本的事項の徹底と共に,各種血液製剤の適正使用が望まれる.
  • 林 孝秀
    1991 年 43 巻 4 号 p. 421-443
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    要旨:漢方医学を西洋医学的アプローチによって解明することは,きわめて重要なことである.ことに,「疹血(おけつ)」という漢方独特の概念は,微小循環との関連が示唆される部分が多く,これを微小循環学の立場から解析することは,漢方の自然科学的解明の糸口となると考えられた.
    本研究では,癌血病態における血液レオロジーの分析を加えるとともに,ヒト眼球結膜を観察することにより,微小循環動態から瘍血病態の変化を捉えようと試みた.
    (対象と方法)
    駆痕血剤(桂枝秩苓薬散)投与適応のある患者に対し,まず寺澤の癌血スコアーにより癌血重症度の評価を行なった.ついで,それぞれの薬剤の,急性負荷前後の各種レオロジカル因子を測定し,同時に対馬の生体ビデオ顕微鏡システムによって,眼球結膜細静脈の微小循環動態と,一部の患者については,手指爪床と,背皮膚の毛細血管係蹄を観察記録した.
    また,駆癌血剤以外の漢方薬剤の作用との比較検討を行なうため,高血圧や脳血管障害への作用が注目されてきた黄連解毒湯と,我々の観察系に影響が少ないであろうと推測された甘麦大覆湯を選び,それぞれ同様に,負荷前後のレオロジーと微小循環動態の変化を調べた.
    (結果)
    瘍血重症度と全血粘度(高・低両ずり速度)血漿通過時間は有意の正の相関関係を示した.微小循環の観察では,癌血患者を正常人と比較すると,微小血管構築における血管壁の不整,硬化,蛇行が多く,血流の性状でも,赤血球集合やスラッジ現象などの血行動態の悪化が観察された.
    桂枝荻苓丸は全血粘度(高・低両ずり速度)血漿粘度(高ずり速度)を低下させ,血漿通過時間を短縮させた.また,眼球結膜細静脈内径および血流量を増加させた.一部患者では手背皮膚血管数の増加が観察された.
    当帰有薬散は全血粘度(高・低両ずり速度)血漿粘度(高ずり速度)を低下させ,血漿通過時間を短縮させた.また,眼球結膜細静脈内径,血流速度および血流量を増加させた.
    黄連解毒湯負荷では,収縮期・拡張期血圧および心拍数の低下を認めた.また,RBC,HT,TP,Alb,全血粘度(高・低両ずり速度)は低下し,血漿通過時間は短縮した.眼球結膜では血管内径は収縮し,血流速度,血流量は増大を示した.
    甘麦大聚湯は,血液レオロジー,微小循環動態とも有意な変化をもたらさなかった.
    (結論)
    1.癌血での血液流動性の悪化が確認されたが,その要因である各種パラメーターは必ずしも一定の動態を示さず,癒血が種々の要因を含んだ「不均質な病態」であることが示された.
    2.眼球結膜微小循環動態の観察により,癌血が血液レオロジーのみならず,微小循環動態の悪化も伴った病態であることが明らかになった.
    3.2つの駆癌血剤ともに血液レオロジーおよび微小循環動態の改善に有利に働くことが確認されたが,その作用形態には若干の差異が認められ,このことが2剤の投与目標(=証)の違いにも関係する可能性が考えられた.
    4.黄連解毒湯はその急性負荷により,血圧,心拍数を低下させるとともに血液粘度の低下及び血流量の増加という微小循環への改善作用を持つことが明らかとなった.
  • 山本 透, 松尾 信昭, 石倉 宏恭, 原田 直己, 武山 直志, 田中 孝也
    1991 年 43 巻 4 号 p. 444-449
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    今回,成人の特発性腸重積症を経験したので過去5年間の本邦集計と併せて報告した.
    109例の集計において成人では小児例に認められるような血便,腫瘤触知,急激な腹痛などの臨床症状に乏しく,病悩期間も比較的長く,急性の腸閉塞症状にて処置される症例はさほど多くなかった.しかも成人では小児例などと異なり,腫瘍などの器質的疾患に起因したものが圧倒的に多かった.
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