ラット子宮内のリゾボスファチジルコリン(LPC)とスフィンゴミエリン(SPH)にはPAFによるウサギ洗浄血小板の凝集阻害作用が認められているが,今回LPCとSPHのラット皮膚におけるPAFの血管透過性充進作用に及ぼす影響を調べた.
PAFによる血管透過性充進作用は濃度依存的にその程度を増強し,PAF受容体拮抗剤であるCV-3988,L-652,731によって有意に抑制された.5及び10μgの16:0LPCはPAFの血管透過性充進作用を有意に抑制したが,50μg以上ではかえってLPC単独でも血管透過性充進作用が認められた.
18:0LPC,SPHには抑制作用を認めなかった.
16:0LPCはヒスタミン,ブラジキニン,セロトニンによる血管透過性充進作用を抑制しなかった.
抄録全体を表示