関西医科大学雑誌
Online ISSN : 2185-3851
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65 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 螺良 愛郎
    2014 年 65 巻 p. 1-11
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/23
    ジャーナル フリー
    電子付録
    関西医科大学の病理学講座の開設と病理解剖(剖検)が開始されるまでの歴史ならびに1951 年から2010 年に亘り病理学講座ならびに病理部で施行された6,108 例の剖検症例の主として主病診断を中心に行った解析を記述する.年間剖検症例数は1951 年から年次を追うごとに増加し,1981 年には225 症例と最多となったが,その後漸次減少し,2002 年には45 症例と最少を記録した.しかし,最近10 年間は年間60 例近くの剖検を施行している.死産児を含む新生児(<28 日齢児)の剖検頻度は1950 年代後半から1960 年代前半にかけて高かったが,以後新生児呼吸器系疾患症例の減少に伴って漸減した.解析期間を通して悪性新生物症例が剖検例の約半数( 32–63%,平均48%) を占め,男女比は1.9:1 で,年齢分布を見ると男女とも症例数は0–4 歳に小さな山を認め,その後一旦減少し,10 歳代後半から加齢に並行して増加して65–69 歳でピークに達した.なお,多重癌の検出頻度は年代を追って上昇した.最近の30 年間では心疾患症例数が脳血管疾患症例数を上回った.年代特異的疾患としては1950 年代前半に高頻度にみられた結核のそれ以後の著減,1950 年代末から60 年代中頃を中心とした日本脳炎と1980 年代後半から90 年代にかけてのエイズ症例の出現が挙げられ,低頻度ながら1960 年代以降では主病診断として深在性真菌症の経年的増加をみた.また高度経済成長期(1950 年代中頃から70 年代中頃まで)の大量のアスベスト消費を反映して,1970 年代以降では悪性中皮腫剖検症例が散見された.本学の剖検前史ならびに60 年に亘る剖検症例の変遷につき記述した.
  • 吉田 健志, 木下 秀文, 黒田 嘉宏, 大城 理, 松田 公志
    2014 年 65 巻 p. 13-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
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    手術操作のうち臓器から臓器を剥がす剥離操作を行う際,腹腔鏡手術においては鉗子先端に加わる作用力を推測することが容易でないことから,剥離技能を言葉で初心者に伝達することが困難である.今回我々は,腹腔鏡手術における剥離操作の際の作用力(垂直力,水平力)を計測することが可能なシステムを作成し,レベルの異なる術者が剥離操作を行う際,操作中に鉗子先端にどのような力を加え剥離操作を行うのかという技能分析を行った.今回の検討から,熟練者は始めに弱い水平力とともに垂直力を加えた後,垂直力を減らしながら水平力を増加させており,鉗子の先端が剥離開始点より奥に進まないように効率よく力を加えていることが推察された.一方で初心者は,剥離開始から終了までに,水平力と垂直力を同時に強めながら加えていることから,鉗子の先端が奥へ進みすぎてしまう形で力を加えていることが推察された.剥離作用力の定量化は,剥離技術の原理を理解する手段の一つとして有用であると考えられた.
  • 福井 由理, 内田 一茂, 住本 貴美, 楠田 武生, 三好 秀明, 深田 憲将, 小藪 雅紀, 池浦 司, 坂口 雄沢, 島谷 昌明, 福 ...
    2014 年 65 巻 p. 19-24
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    1型自己免疫性膵炎は膵臓の腫大,高IgG4血症,組織中のIgG4陽性形質細胞の浸潤を特徴とする疾患である.限局性膵腫大を呈するものは膵癌との鑑別が難しく手術を選択される症例がいまだに存在する.高IgG4血症は1型自己免疫性膵炎の特徴とされているが最近では膵癌症例においても高IgG4血症を認めるという報告もある.そこで膵癌との鑑別という観点から組織中のIgG4陽性細胞に注目し検討したところ,膵癌においてもIgG4陽性細胞が強拡1視野で10個を超える症例が癌部で5% (1/21),膵癌上流の閉塞性膵炎領域で10% (2/21) 認め,IgG4/IgG比率が40%を超える症例が癌部で9例 (43%),膵癌隣接部位で6例 (29%),膵癌上流の閉塞性膵炎領域で3例 (14%) 認めた.
    近年超音波内視鏡 (EUS) を用いて膵疾患を診断することが多くなったが,膵癌上流の閉塞性膵炎においてIgG4陽性細胞を認めることより,EUS下生検などで得られる微少検体を用いてIgG4の免疫組織学的方法により膵癌と1型自己免疫性膵炎を鑑別する際は注意が必要である.
  • 2014 年 65 巻 p. 25
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
  • 2014 年 65 巻 p. 26-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
  • 2014 年 65 巻 p. 39-182
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
  • 2014 年 65 巻 p. 183-215
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
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