日本地すべり学会誌
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45 巻, 4 号
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論文
  • 笹原 克夫, 小山内 信智, 田村 圭司
    2008 年 45 巻 4 号 p. 284-291
    発行日: 2008/11/25
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    間隙比および応力経路が不飽和砂質土の土壌水分特性曲線に及ぼす影響を検討するために, サクション載荷・除荷試験を行った。その結果初期に乾燥状態でその後吸排水させる場合は, 土壌水分特性曲線のヒステリシスが無視しうることが判明した。またサクション除荷過程における土壌水分特性曲線, 間隙比とサクションの関係, そして間隙比と飽和度の関係も応力条件に影響されないことが分かった。そして土壌水分特性曲線は間隙比が変わっても勾配が同一であるように見えるが, 同時に最小体積含水率が等しいようにも見える。間隙比が土壌水分特性曲線に与える影響についてはさらなる検討が必要である。
  • 中谷 洋明, 丸井 英明, 向井 啓司, 片山 弘憲
    2008 年 45 巻 4 号 p. 292-299
    発行日: 2008/11/25
    公開日: 2009/04/01
    ジャーナル フリー
    地震時の地すべり・土砂災害の被害を抑制するためには危険箇所の緊急点検等の対応を迅速・的確に行う必要がある。地すべり等を引き起こす斜面安定度の低下は水文状態と地震動とに影響される。水文状態については, 北陸地方で適用可能な広域水文指標が提案されている。地震動については, 全国の市町村単位で震度が計測されている。これにより, 市町村単位で水文状態と震度とを監視することが可能である。北陸地方で最近3ヵ年に発生した比較的大きな3つの地震災害については, 危険箇所緊急点検が行われ, 市町村単位で危険度判定が実施されてきた。
    そこで, 本研究では危険度判定により対策が必要とされた事例を水文指標と震度を用いて分析した。これにより, 地震発生時に, 震度が一定以上の区域内を対象とした危険箇所の崩壊危険性を, 水文状態と震度とから推定する手法を構築した。地震時の危険箇所の崩壊危険性は, 広域の水文状態を考慮することで, より精密に推定できることが示された。いくつかの広域水文指標について, 一定の閾値以上の震度の領域を点検対象とした場合に危険性の高い箇所を見出す的中率と捕捉率との比較を実施した。
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