地すべり
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20 巻, 4 号
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  • 宜保 清一, 武居 有恒, 小波蔵 政良
    1984 年 20 巻 4 号 p. 1-6_1
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    地すべりの安定解析では, 剪断試験結果は単なる参考資料として取り扱われているが, 解析の精度を高めるためには設計定数の算定に直接または間接的に実験定数を組み入れる必要がある。
    本論文では, すべり面や節理面に形成されているSlickensideや完全軟化粘土薄層に注目し, すべり面強さと残留強さ, ピーク強さおよび完全軟化強さとの関係の重要性を指摘した。そして残留強さ等の定数, Mohr-Coulombの式および残留係数Rを逆算法によって得られるc''-φ'関係に導入して平均すべり面強度定数を決定する方法を提案し, その合理性についても実際地すべり事例に適用して確認した。
  • 玉田 文吾
    1984 年 20 巻 4 号 p. 7-13_1
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    地すべり粘土の内部摩擦角φ'は, 土質試験時の試料の厚さ, ダイレイタンシーなどによって変化するが, 地すべり粘土に含まれる粘土鉱物(モンモリロナイト)の含有率Bnによっても変化し, Bn≦40%ではφ'=φ
    0exp(-A1・Bn)の関係がある。同時に, せん断特性もBnの増加に伴なって排水形式から非排水形式へと変化する。φ'は, このほかに粘土鉱物以外の土粒子の鉱物組成および形状によっても多少変化するが, Bnがφ'に最も大きな影響を与える。
    今般の結果は, 地すべり粘土の鉱物分析によるφ'の間接的な測定および地すべり面探査に応用できる可能性がある。
  • 柴原 俊昭
    1984 年 20 巻 4 号 p. 14-21_1
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    阿武隈山地南部の斜面崩壊は, その90%が北側斜面に発生している。本報告では主に森林に視点をあて, 樹木の成育状況を南北両斜面で比較し, 崩壊発生との関係を調べた。その結果, 崩壊は林令12年以下のところに多発し, 同林令地でも北側斜面の樹木の成育の悪さが認められた。特に北側斜面での根系発達の悪さは土壊緊縛力を弱め, 崩壊防止機能を低下させているものと考えられる。また, 土壌層においても北側斜面の発達が悪く, 母材層との境が明瞭であることから, 土壌層と母材層の間がすべり面となって崩壊につながるものと考えられる。
  • 大石地すべり地を例として
    竹内 篤雄, 二宮 寿男, 中村 和弘, 上野 郁夫
    1984 年 20 巻 4 号 p. 22-27_1
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    1980年2月に変成岩地帯の地すべり地においてはじめて1m深地温調査が実施され, それに基づいて地下水排水工事が行われた。今回再度同一地区で地温調査が行われ, 地温分布の再現性と施工された排水工事の効果がどのように地温分布に現われているかが検討された。その結果次のことが示された。
    1) 変成岩地帯の地すべり地においても1m深地温分布の再現性は十分に認められる。
    2) 水脈内に掘られた調査用試錐孔の地下水位および横孔排水試錐からの排水量の観測結果により排水工事の効果の良好性が認められた。
    3) 排水効果の1m深地温への影響は, 排水工事施工前後のθX-1-y図および地温分布図を対比することにより明らかにされ, 地温測定調査による排水効果判定の可能性が示された。
    4) 地温分布図の対比によると, 排水工事の効果は工事区間とその下流方向に大きく現われること, 排水工事の施工密度の違いが地温分布状況に明らかに示されることがわかった。
  • 甘粛省科学技術委員会 , 森脇 寛
    1984 年 20 巻 4 号 p. 28-33
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
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