西南北海道相沼-豊浜海岸は1962年の豊浜地すべり, 1985年の折戸地すべり, 1991年の立待岬地すべりで特徴づけられる。我々の調査と解析によれば折戸地すべりと立待岬地すべりは深度の大きい流れ盤型のすべりであり, 地すべり面となる粘土化凝灰岩をはさむ, 緩傾斜の硬質シルト岩という地質地形条件に起因している。一方, 豊浜地すべりは古い地すべり地形の崩積土末端の二次すべりである。立待岬地すべりと豊浜地すべりはまた長期にわたる斜面の不安定化も一因であるらしい。最後に, これらの地すべりの誘因としては, 先駆的な, かなりの降雨が考えられ, それが地すべり発生地区の地下水位を上昇させたためであろう。
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