地すべり
Online ISSN : 1884-3956
Print ISSN : 0285-2926
ISSN-L : 0285-2926
35 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 地すべり地形データベースの解析から
    伊藤 陽司, 山岸 宏光, 川村 信人, 堀 俊和
    1999 年 35 巻 4 号 p. 7-15_1
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    空中写真判読によって認定された12, 856箇所の地すべり地形の位置, 滑落崖地質, 基盤地質, 規模, 地塊の移動方向などの情報からなるデータベースを構築し, これの解析から北海道における地すべり地形の分布, 規模, 形態や地塊の移動方向などの特性およびこれら諸特性と地質・地質構造との関連を明らかにした。さらに, 最近の斜面災害事例や地すべり防止区域と地すべり地形との関係から地すべり地形情報の斜面防災に関わる重要性を指摘した。
  • 北海道の例
    山岸 宏光, 山崎 文明, 畑本 雅彦
    1999 年 35 巻 4 号 p. 16-25_1
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    北海道では, 最近, 二つの岩盤崩落 (豊浜トンネル岩盤崩落, 第2白糸トンネル岩盤崩落が発生し, 国道229号の二つの主要トンネルを破壊した。豊浜トンネル岩盤崩落ではバス・乗用車でトンネル通過中の20名が犠牲となった。筆者らはこれら岩盤崩落の概要を述べるとともに, 1989年の越前海岸での崩落を加えて比較を行った。北海道における二つの崩落は新第三紀安山岩質水冷破砕岩の海蝕崖で発生し, 崩落岩体の体積は豊浜トンネル岩盤崩落が11, 000m3, 第2白糸トンネル岩盤崩落が65, 000m3であった。発生時期は前者が厳冬期, 後者が夏期であったが, 素因として地質的不連続面が重要であり, トリガーとして地下水の湧出が関与していることが共通している。さらに, 筆者らは第2白糸トンネル岩盤崩落のメカニズムを明らかにするため, 岩盤崩落の画像解析を試みた。その結果, 開口-トップリングーすべり (ズレ)-落下-転倒-すべり-分散, というコンピュータシミュレーションモデルを得た。この過程は単純な落下であった豊浜トンネル岩盤崩落と比較して, 複雑なものであった。
  • 地震による変動斜面の特徴
    雨宮 和夫, 田近 淳
    1999 年 35 巻 4 号 p. 26-33_1
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    北海道三大地震による斜面変動について形態を中心とした特徴を記述した。地震により変動した斜面の最大の特徴は, 変動の程度の多様性であり, 亀裂が形成されてそのままの状態のものから, 斜面下まで崩落するものまで様々な段階やタイプの変動が混在することである。各部分をみると地震動を反映した, いくつかの特徴的な形態をもっている。今回変動した斜面やその周辺には, このような特徴的な形態を示す古い地震による変動斜面と見られる斜面が分布することが明らかになった。このような特徴が明確になれば斜面変動の履歴の解明や災害調査の際の有意な指標になる。
  • 若山 茂, 雨宮 和夫, 横田 寛, 中村 研
    1999 年 35 巻 4 号 p. 34-42_1
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    地すべり調査における空中写真判読は個人差があるため, 客観性に欠けるという指摘がなされてきた。本文では, 個人差を生ずる原因について検討し, 空中写真判読による地すべり地形の認定作業をより客観的な手法に近づけるために, 確実度の概念を導入するとともに, 判読結果を記載する方法について提案した。
  • 地すべり学会北海道支部技術小委員会
    1999 年 35 巻 4 号 p. 43-50_1
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    地すべり学会北海道支部技術小委員会の活動として行った, 地すべり対策工のアンケート調査結果についてまとめ, このデータなどに基づいて, 北海道における地すべりの特徴と対策工の傾向について議論し, 現在筆者らが抱えている地すべり対策工の問題を解決するために幾つかの提案と展望を示した。
feedback
Top