本稿では,日本のコンテンツ産業のうち,商業アニメーションの制作・流通に着目する.日本のアニメーション・ビジネスにおいては,資金調達の段階において「製作委員会方式」が用いられる.本稿では,その企画段階の予算シミュレーションを通した原価管理の特徴を,既存の管理会計手法との比較により明らかにする.
先行文献の整理をふまえ,筆者が行ったインタビュー調査に基づき,製作委員会方式がコンテンツの2~次流通まで含めたマネジメントを可能としていることと,制作会社に対する組織間関係の構築に寄与していることを示す.
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