ダイバーに対する事故防止の最も単純で且つ有効な手段の一つに, 音響信号を直接伝達する方法がある。通常ダイバーは特別な通信装置を所持していないので, 音響信号を用いる方法は非常に有効である。人間が水中でも聴感能力を有していることは良く知られているが, 聴感に対する音の大きさを適切に表現するための研究はあまり見当らない。本論文は, ダイバーに対する音環境を適切に評価するために, 水中における聴覚に対する等感レベルと最小可聴値を実験的に求め, 水中における等感曲線としてまとめて示した。次いで, いくつかの追加実験を行い, 既に知られた大気中の等感曲線との関連について考察した。
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