本論では,マーケティング領域で影響が想定される環境要因を先行研究から整理し,Web調査によりマーケティング管理者が意識する環境要因の実態把握を試みた。調査では,日本のB to C企業からの回答を集約し,その傾向を分析した。分析にあたり,企業の業種と規模による環境要因の重要度の差異の存在を仮説として設定した。仮説の検証作業により,企業のマーケティング管理者が意識する環境要因には,業種,規模ともに多くの要因で有意な差が認められた。さらに,日本企業でマーケティング管理者の意識がどのような環境要因を重視しているのかを企業の属性別に分析した。分析結果を踏まえ,環境要因からの経営診断に対する示唆を提示した。