本研究は,不可視のサービス機能の変容を通して,共同体を閾値の突破に向けていかにファシリテートするかの試みである。まず,触媒機能を持つヒトや組織を"セレンディピティ"とし,これを共同体に組み込む支援を通して不可視サービスの可視化過程を導く。次にそうした,一連のプロセスはゆらぎとしての混沌から秩序が形成されるオートポイエーティック・システムであり,これが自己組織化の本質であることを論証する。結論として仕事を分割するための分業が支配する"不幸せなコミュニティモデル"に対し,補い合うための協働から創発されるのが"幸せなコミュニティモデル"であり,それを誘発させるのがファシリテータの役割であることを示す。
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