中小企業の事業承継が課題となる中,従業員や外部に事業を承継する非親族承継が注目されている。非親族承継は,①承継者が創業者一族から株式を買い取るケースと,②株式のほとんどを依然として創業者一族が保有し「所有と経営の分離」がなされているケースとに分かれる。その違いが生ずる要因を,非親族承継によって承継者が経営革新を遂行した企業事例から考察すると,創業者一族との関係が影響していることが示された。
また,「所有と経営の分離」がなされた中で,何故承継者が経営革新を遂行できるかについては,創業者一族との間の信頼関係構築や,事業承継までの十分な準備期間の確保が影響していることが示された。
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