教育機器・施設を使用した授業がどのように受けとめられているか,教師と生徒に対してそれぞれ調査を行なった結果,それらを使用した授業に対しては好意的な評価をする者が多かったが,そうでない者もあった.また,年齢が進むにつれて,好意的評価が減っていくという問題点も浮かび上がってきた.その原因の分析に際しては,表面的なもの,たとえば,どのような機器がどのくらい使用されたかなどだけではなく,生徒の受け取り方の違い,すなわち,性別,学部など個人の背景及び興味・関心の違いも考慮されるべきであると思われた.それらを追求するために,さらに調査を実施し,数量化理論II類などを用いて評価に寄与する要因を抽出した.その結果,教育機器,施設に対する評価を検討するにあたっては,機器・施設の使われ方ということだけでなく,むしろ性別,学部など個人の背景及び興味・関心を重視すべきであることが明らかになった.このことから機器・施設は個人の背景,興味・関心を十分に考慮して使用されるべきであることが示唆された.
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