本研究では,昭和62年度から平成2年度までのコンピュータ利用教育に関わるハード費用,ソフト費用,および研修費用を算出し,費用および割合の変化についての分析を行った.その結果,設置率が向上しても,ハード費用は大きくは変化せず,全体の4〜5割にとどまっていること,またソフト費用の占める割合が拡大している分,研修費用が縮小しており,実数でみても,小・中学校では,設置校1校当りの研修費用が横ばいもしくは減少傾向にあることが明らかになった.さらにロジスティックモデルを用いて,今後の普及にともなう費用の予測を行った結果,現状のままでは,ハードとソフトの整備に研修が追いつかないことから,研修の効率化が必要であること,また将来的にかなりの多額となるソフト費用の軽減に対しては,廉価な市販ソフトの流通を促進することが有効であることを見いだした.
抄録全体を表示