本研究では,図的表現のひとつであるコンセプトマップの効果的な表現形式を実験的に検証した.学習内容は,キーワードに包含関係または順序関係があるものを用いた.まず,コンピュータディスプレイを用いて,コンセプトマップ表現と文章表現を比較する提示実験を行った.次に,実際の授業を想定し,講義室でOHPを用いた提示を行い,コンセプトマップ表現と文章表現を比較した.そして,コンセプトマップ表現は,記憶学習に有効であることを示した.ただし,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させないものは,効果がないことを併せて示した.コンセプトマップは,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させて表現することによって,学習内容の全体構造を把握することが容易になる.そのため,学習内容の提示における有効利用が期待できる.
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