本研究では, グループでの協同的な問題解決を行う場合に, 情報の共有を支援するメディアの違いが問題解決の過程や方略に及ぼす影響を検討した.大学生を対象として, グループによる問題解決課題を与えた.その際, 対面により情報カードを利用して解決するグループ, 対面により口頭での討論のみで解決するグループ, 対面せずパソコン通信のチャットで解決するグループを設定し, 比較分析した.その結果, グループ内での精緻化, 反論等の問題解決への貢献度の高い発言は, チャット, 情報カード, 口頭討論の順で多く確認でき, 解決方略もそれぞれの群で異なった特徴が認められた.この結果は, 情報の共有を支援するメディアの違いが, 解決への異なる作業空間をデザインし, 学習に影響を及ぼすことを示唆していると解釈できる.
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