徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
19 巻, 2 号
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巻頭言
研究論文
  • 健常者における予備的研究
    小網 暢彦, 渡辺 淳也, 中嶋 隆行, 森 篤志, 中島 剛, 前谷 祐亮, 齋藤 友佑, 勝股 美里, 大野 和香奈, 高橋 法子, 坂 ...
    2019 年 19 巻 2 号 p. 45-48
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/23
    ジャーナル フリー

    核磁気共鳴画像法(MRI)による筋体積変化量の評価によって,膝関節伸展発揮トルク変化量を測定できるか検討した。健常者ボランティア6 名の両下肢計12 脚を対象とした。大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク増強運動を8 週間継続し,運動開始前,開始後8 週で筋力測定器を用いた膝関節伸展発揮トルク測定,MRI による筋体積の測定を行った。結果,運動開始前,開始後8 週で大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク,筋体積はともに有意に増大した(p<0.001)。また,大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク変化量と筋体積変化量との間に,正の相関を認めた(r=0.64,p=0.02)。MRI を用いた筋体積の経時的評価は,意識障害などで一般的な筋力測定法を用いることができない症例において,間接的な筋発揮能力の推定方法として今後応用できる可能性が示唆された。

  • 松永 好孝
    2019 年 19 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/23
    ジャーナル フリー

    〔目的〕本研究の目的は,膝蓋骨の遠位方向へのモビライゼーション後の膝伸展筋力の測定を行い,関節運動反射の影響を検討することである。〔方法〕膝関節疾患を有さない対照群および介入群20 名ずつを対象とした。対照群・介入群はともに1 時間の休憩をはさみ,2 回膝伸展筋力を測定した。介入群では,1 時間の休憩後に膝蓋骨遠位方向へのモビライゼーションを実施し,直後に膝伸展筋力を測定した。この結果より,両群の前後の膝伸展トルク体重比および膝伸展トルク増加率を算出し比較を行った。〔結果〕対照群の初回と休息後の膝伸展トルク体重比では有意差は認められなかった。一方,介入群の初回と介入後の膝伸展トルク体重比では有意差が認められ(p=0.03),膝伸展トルク増加率は11.4 ± 15.1%であった。〔結論〕今回の結果は,膝蓋骨の遠位方向へのモビライゼーションにより生じた関節運動反射が,大腿四頭筋における神経原性抑制を除去している可能性を示唆する。

症例研究
  • 河重 俊一郎
    2019 年 19 巻 2 号 p. 55-59
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/23
    ジャーナル フリー

    〔緒言〕局所性ジストニアに対する理学療法の方法および有効性について,一定の見解は得られていない。本報告は手指の局所性ジストニアに由来する症候に対して徒手療法が奏功した一例であり,その経験に加え局所性ジストニアの診断に至るまで時間を要した反省をあわせて報告するものである。〔症例〕40 歳代女性,把握動作時に母指・示指の屈曲に抑制が効かず,意図せず物を強く握りしめてしまうことを訴えて来院した。〔評価および介入〕特筆した理学所見がなく,病態解釈・治療に難渋していたが,ある時発生した疼痛に対し,大菱形骨のマニピュレーションを行ったところ不随意な手指屈曲動作の著明な改善が得られた。〔結論〕骨偏位や可動不全といった筋骨格系の異常が,局所性ジストニアに由来する症候を修飾する可能性が示唆された。

総説
  • 山内 正雄
    2019 年 19 巻 2 号 p. 61-66
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/23
    ジャーナル フリー

    首都大学東京大学院では,2017 年10 月から国際徒手理学療法コースを開設し,国際徒手理学療法士連盟(IFOMPT)の教育基準に準じた教育を行っている。教育期間は2 年であり,主として平日の18 時から21 時10分までの2 時限の授業で行われる。本コースのカリキュラムは,徒手理学療法の歴史や総論,画像評価,EBM,EBPT,クリニカルリーズニングなどの理論的な知識と,関節モビライゼーションやマニピュレーション,軟部組織モビライゼーション,神経モビライゼーション,モーターコントロールトレーニングなどの実技に加えて,学外臨床実習と修士論文のための研究など多くの科目が用意されている。本コースの特徴は,卒業すれば修士を取得することができるだけでなく,将来的にはIFOMPT に申請し整形徒手理学療法(士)(OMPT)養成施設として認められればOMPT が取得できることである。ただし,卒業時点での徒手理学療法の知識や技術は基本的なレベルであり,生涯教育として知識と技術の習得を行っていくことが重要である。

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