MACRO REVIEW
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1 巻, 1 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 栗木 恭一
    1988 年 1 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
  • 大礒 幸雄
    1988 年 1 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    宇宙は,大昔から人類の思索の対象,哲学の源泉でもあった。しかし,20世紀後半の自然科学と技術の発達は,この宇宙の神秘のヴェイルを,徐々にではあるが遠慮するところなく引きはがし,人工的に宇宙を利用しはじめている(宇宙時代の到来)。 ミサイルの核弾頭をSDIにより宇宙空間で破壊してどちらが宇宙条約の違反国であるかを論じても後の祭りである。 地球を取り巻く自然は,無限なのではなく,代替性のまったくない超希少資産であることを認識すると,先端科学を駆使する宇宙施設の利用方法(宇宙時代構想―SAI)について,原水爆以上に人類は「畏れ」を払うべきである。 米ソ両国を含めた全世界の経済構造を完全な民需構造に計画することは,衛星センサーとコンピュータにより可能となってきた。各国の経済政策および地球的大規模事業のガイドラインとしての世界経済構造計画を提唱するものである。
  • 山中 龍夫
    1988 年 1 巻 1 号 p. 8-10
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    過去5世紀以上にわたる大西洋時代から太平洋時代への変遷期における,地球活動圏拡大の今日的意味を経済的,社会的,政治的,文化的変容の時代におけるマクロエンジニアリング的視点からとらえて,宇宙インフラストラクチャー構築への地球上拠点の創成を提案する。環太平洋活動圏の経済資源の可能性から,市場創成と資本および技術移転を伴う大規模技術開発による多様性の融合をはかる新しいフローと宇宙時代の人類の文化的変容を実現する実験的試みとしてのパシフィック・スペースポートの概念を紹介する。
  • 松本 信二, 井染 信夫
    1988 年 1 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    21世紀初頭に世界最大の規模と機能を有する国際スペースポートを建設し,宇宙分野を中心とする国際科学技術都市として運営していく場合,性格の異なる多くの事業が必要となる。そのような多くの国際事業を推進し運営していくためには,政府間協定にもとつく国際共同事業体を設立することが適切であると考えられる。国際共同事業体の中には宇宙開発銀行,事業本部,統括本部等が設置され,おのおのの事業を推進するとともに,事業間の調整がなされるようにしなければならない。このような形で国際スペースボート事業を実現させるためには,国際スペースポートの必要性に関する国際的な合意形成が,まず必要である。そして,事業化の為の組織を作り,研究・開発の体制を確立しなければならない。スペースポートの建設場所についても,国際的な合意のもとに選定されるべきである。
  • 島田 眸
    1988 年 1 巻 1 号 p. 15-17
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    第3ミレニアムにおける人類のニューフロンティアは,地球表面の約70%を占める海に存在する。われわれは,新しい海の生活様式とその文化と芸術,新海洋文明の創造を提唱する。その第一歩は,人工の海と空のリーフに囲まれたラグーンの子宮から始まる。が,そこにはきわめてマクロ的な三つの問題が立ちはだかる。風と波と海洋汚染である。 静かで清らかなる微風海洋空間は,そのまま海洋居住生活圏になる。住まいは居住艇,移動空間は空と海。またその海は,自給生活をも可能にする。 人工気象制御技術に加え大風の制御のために,私は防風堤を考案した。防風堤のネットワーク化によって海洋居住生活圏が創造される。 消波装置として,私は潜水式浮体リーフを考案し,また水質浄化の海底活性化方法も考案した。 環島型の人工島は,最小の工事で最大の海洋居住生活圏を創出する。
  • 宮本 隆司
    1988 年 1 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    科学技術の国際性に伴う特許の国際性,そのための特許制度の国際協調,これに基づいて特許法の改正がなされたものであることを説明し,解説した。 すなわち,実質的な多項性への特許法の改正と,この改正のもつ意味,すなわちある科学技術を多方面から捉えて表現し,その特許明細書の特許請求の範囲を広げて記載することの重要性を説明した。これは,科学技術の非常な高度化に伴い,裁判官が技術文献である特許明細書に書かれた文章の行間を読めない為,従来の特許請求の範囲の記載どおりではその法的保護が十分ではなくなっているためである。 マクロエンジニアリングは,複数の科学技術の分野に跨って構成されることが多く,その場合の特許明細書の表現の仕方に対する注意すなわち技術用語の意味の差異に対する注意と文章の表現の正確さが必要である。
  • 岩渕 雅明
    1988 年 1 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    今年は国立防災技術センター(NRCDP)が「気象調節に関する研究」の一環として,消滅ロケットを使った積乱雲の人工調節プロジェクトを開始して20年目に当たる。その概要をメーカー側からみた,消滅ロケットと散布システムの開発の経過について述べる。 そして現在使われている沃化銀散布用コンポジットの氷晶核発生効率が,まだ当時と変わらず,AgI/gから1016個発生するに止まっている。 理論値2.6×1021個に比べれば,まだ26万分の1にすぎない。しかしそれでも,米,ソ,仏等は多大の成果を上げつつあるのである。 日本としては,古くて新しいこの技術を,この点からブレークスルーして,今までのものより少なくとも数千倍の効率でcloud-seedingできる核発生システムを開発することは,地球環境の制御に必要な,“Atmospheric Sciences”の理論面の進展にも必要なだけでなく,大いなる経済効果も期待できよう。
  • 谷本 光生
    1988 年 1 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    大変な題をわずかの紙数にまとめよということなのでまとめに苦慮しましたが,以下のストーリーとしました。(1) 花魁のかんざし:宗教が人間生活にかかわる程度は各民族によって差がある。太古の昔から身に付き不可分な存在になっている日本神道のようなものから,儒教のように花魁のかんざしといえるものまである。一般には儒教的宗教がほとんどであろう。(2) マクロ・ミクロ:個人の願望と環境からの抑制との相克,その間をつなぐ諸文明条件。(3) タワケ者:今まであまり着目されていないが,非常に重要な世代交代のルールについて。(4) 語順:言葉は文化文明を包摂するものである。言葉の組合せ則である語順則から諸文明の特徴を調和・欲望・衝動に分類した。(5) 宗教と文明について:以上の論旨を踏まえ日本文明を中心として,巨大宗教を核とする諸文明を概括した。
  • 綿抜 邦彦
    1988 年 1 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    地球環境のゆらぎはある"しきい値"をこえると新しい平衡状態に達し,そこで再びゆらぎが生ずる。ゆらぎつつ,周期的な変動のある場合は地球環境は保全されるが,ゆらぎつつある方向性をもつ場合は二度と再びもとの状態にもどらない可能性がある。 地球環境のゆらぎは,パワースペクトルにより解析されると1/fゆらぎになる場合が多い。ランダムな白色ゆらぎでは未来の予測はできないが,1/fゆらぎの原因を追求すれば,予測ができる可能性がある。そのためには地球環境の変遷に対する時定数の見積りが重要な課題となる。
  • 新田 義孝
    1988 年 1 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    グローバルな炭酸ガス問題をわが国としてどう対処すべきか,それにはどんなキーテクノロジーが必要かを述べる。 炭酸ガスの増加は世界的に常識化しており,わが国でも本格的な観測が始まった。毎年グローバルに人間活動が排出するCO2は炭素換算で50億トンで,そのうちの約5%がわが国の分である。 炭酸ガスの排出規制は2,050年頃に予想されるが,それまでに炭酸ガスの増加を抑制させる仕組みをつくっておく必要がある。 炭酸ガス問題の解決に砂漠の緑化,自然保護,海洋牧場,クロレラ生産工場,植物工場などの方法が考えられる。 炭酸ガスを排出源で回収できるキーテクノロジーの発見が期待される。排出源で回収できれば資源問題も一挙に解決する。熱力学的に成立性が難しいこの問題をブレークスルーするキーテクノロジーはないものだろうか。
  • 森田 照道
    1988 年 1 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    まず輸送をどうとらえるかを考え,その輸送をとりまく環境条件と,輸送の対象がおかれている状況とを整理した。これをうけて政策提言とglobal transportationの達成を予測する指標についてまとめてみた。政策提言では,bottom up的なアプローチをとることとし,日本をとりあえず対象として世界に向けてネットワーク化・幹線化する端緒とする方向と,ローカル化を徹底化する方向とについてイメージをふくらませた。
  • 森 敬, 古畝 宏幸, 田中 雅幸
    1988 年 1 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    近年,海洋の鉱物資源,エネルギー資源,空間資源等の開発とともに,魚介,海藻類などの海洋生物資源の開発は,新産業技術である海洋生命工学(マリンバイオテクノロジー)に基づく生産,制御,管理によって,人類の未来永続的な生存発展を約束するフロンティア産業に発展しようとしている。そのマリンバイオテクノロジーを支援する新しい要素技術の開発とシステム化が急務であると考えられる。 その一つの要素技術として,太陽光集光装置や光伝送技術を用いた太陽光供給システムが考案され,海洋生物資源の大量生産,海洋牧場の形成,海洋空間照明としての利用へとその広範囲な可能性について,さまざまな研究開発が成されようとしている。 本論文は,太陽光自動集光伝送装置「ひまわり」システムを利用した海洋開発とマリンバイオテクノロジーへの各種提案とその研究概要を述べるものである。
  • 菊竹 清訓
    1988 年 1 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1988/09/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    地球全体が,巨大都市・人口集中などの深刻な問題に直面している今,都市はマクロ・エンジニアリングの課題として,ふさわしいと考えられる。 都市は,ハード・ソフトの組合せにより人類の歴史を築いてきた。そして今,都市変革の先駆的兆候を人工島の計画に見ることができる。 現在・日本各地でさまざまな人工島プロジェクトが進められているが,ここでは六つのややまとまったものを挙げてみた。 これら多くの計画には,まだまだ問題点が多い。それらの解決とともに,日本の都市産業は,21世紀に向かって世界の都市づくりに貢献すべきである。そして私たち都市部会は,新しい使命のために,その計画建設,運営等について今から準備をすすめ,研究していくことが必要であると考える。
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