MACRO REVIEW
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11 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小林 登史夫, 新田 義孝
    1999 年 11 巻 2 号 p. 3-14
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    日本を中心とした昨今の社会・自然環境の下で、熱帯・亜熱帯の海岸や汽水域に繁茂するマングローブには、どんな役割が期待できるのか、その現状はどうなっているのか、さらに欧米先進国と比較して日本はなぜマングローブを重点的に扱うことが望まれているか、などについて解説した。今後東南アジアを中心としたマングローブ植林を、持続的に運営する方策に関しても検討した。
  • 加藤 茂
    1999 年 11 巻 2 号 p. 15-37
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    マングローブは熱帯・亜熱帯の海水の出入りする沿岸域や河口域に広がる樹木群の総称で、塩生植物である。マングローブ地域は生物多様でしかも生物生産性の極めて高い生態系として地球規模でその重要性の認識が増し、また耐塩性の遺伝資源としても注目されている。 今、東南アジアを始めとするマングローブ森林は減少し続け、地球上には約1,800万haのみである。タイのマングローブ森林減少原因は、燃料を確保するための過剰伐採、エビ養殖池への転換、農地開発、工業団地用地への転換、スズ採掘による破壊などとされる。タイ国のマングローブ森林はこの30年間で半減し、約17万haである。近年になり、タイ国ではマングローブ生態系の重要なことの認識が高まり、保全保護への取り組みが開始され始めている。 本報告は、タイ国南部Nakhon Si Thammaratに広がる放棄エビ養殖池と沿岸線への大規模マングローブ植林による生態系の修復への歩みとプロジェクト実施について述べる。本プロジェクトはマングローブ修復のモデルとして、東南アジアをはじめとする修復を必要とする地域への技術移転を最終目標としている。
  • 萩谷 準一
    1999 年 11 巻 2 号 p. 39-47
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    「マングローブ植林大作戦」と銘打った南部タイにおけるボランティア植林活動は、これまで1994年~1998年の5年間、継続的に実施されてきた。この植林活動に参加した「日本人ボランティア」は延べ457名、タイの「地元住民」は延べ5,500名に達している。この植林活動は、失われた海の豊かな「生態系」と「生物多様性」を復活させ、植物の持つ活発なCO2固定化作用により「地球温暖化防止」に貢献するものとして期待されている。しかし、以上のような自然科学的視点からだけでなく、ここでは社会経済学的な視点からも、マングローブ植林活動が地域社会に及ぼす影響について考察した。
  • 飯島 康弘, 林 豊
    1999 年 11 巻 2 号 p. 49-56
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    自然分布の北限を遙かに越えた静岡県南伊豆町に生存する、マングローブの一種「メヒルギ」が河川改修工事のために移植を余儀なくされた。自然に優しい建設事業が叫ばれる中、人の安全確保のための公共事業と自然が共生するための試行として注目されている。 移植後のメヒルギは、保護管理を受けながらも徐々に衰退し、結果的に活着率は40%台であった。自然の林相を保っていることは、各々の木が集団で安定な状態を維持しているので、移植工事の方法が如何に丁寧であっても、安定な林相を築き上げるまでは厳しい環境圧に常に曝し続けられ、被害を受け続ける可能性があることが示唆された。
  • 竹村 登
    1999 年 11 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    1994年以来、沖縄県の西表島にて、マングローブ生態系セミナーを開催している。ここでは、日本で見ることのできるマングローブの全てが存在しているため、多くの日本人にとって普段見ることのできないマングローブを身近に観察できる最適の場所である。 このセミナーは、SDGF(地球緑化行動研究会)メンバーが参加しているタイ国南部でのマングローブのボランティア植林参加者をはじめとして、一般の方々にマングローブとその生育環境の知識を得てもらうことを主目的としている。しかし、このセミナーでは、マングローブを軸として、沖縄の離島の生活・文化・歴史を地元の人々と触れ合いながら、体験することが重要である。このセミナーは、エコツーリズムの一つの姿として、捉えることができる。
  • 桝田 信彌
    1999 年 11 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
  • 長友 信人
    1999 年 11 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    日本マクロエンジニアリング学会の宇宙の経済研究委員会が開催した「月とは何か?」をテーマにしたシンポジウムにおいて、この表題の質問に参加者が回答を寄せた。一方、同じ問いに対する回答が宇宙工学の講義を受講する学生から得られた。ここでは両者の回答を一時代の宇宙開発の考え方として記録するとともに、過去のアポロ計画や最近の月の探査計画においては、月は何?と考えられて、計画が実現したか?その動機を分析した。その結果、アポロ計画では月は大国の領土と考えられたものの、最近の月に関する宇宙計画は「月とは何か?」というまともな科学的質問に近いようだ。
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