MACRO REVIEW
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6 巻, 1 号
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  • 陰陽調和型新資本主義コンセプトの提唱
    島田 眸
    1993 年 6 巻 1 号 p. 3-13,47
    発行日: 1993/05/01
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    現代産業文明には,破滅的な欠陥があった。即ち,「絶対価値観の欠如」と,「労働強制の究極美」の追求である。そして現代産業文明を理論武装してきた現代経済学は,拝金教,拝物教(マルクス経済学の場合)そのものであり,その自然破壊的性格は,自然破壊を「開発」と呼ぶその一言で証明される。 本論は,太陽,大気,大地,大洋の価値を絶対価値として提唱する。エロスの価値にも絶対性がある。古代から現代に至る既成文明は,絶対価値観の放棄によって構築された「労働強制文明システム」であり,それは「労働強制の究極美」を追求する。 しかし当該文明システムには,自滅装置が内蔵されている。 本論は,以上の文明哲学から,絶対価値に依存する自給可能な資本システムを「陰」,現代産業文明の相対価値生産システムを「陽」とする,「陰陽調和の新資本主義」のコンセプトと,「資本主義的幸福」を実現する諸戦略について提唱する。
  • 木下 幹夫
    1993 年 6 巻 1 号 p. 15-19,57
    発行日: 1993/05/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    高度数kmの人工構造物を用いた億kW級上昇気流型風力発電の空気加熱・加湿のための熱システムを,亜熱帯平原沙漠上,及び海洋上の発電システムについて考察した。太陽熱を利用した亜熱帯平原沙漠での発電において,出力の増加に従い,太陽熱集熱に必要な面積は増加するが,これに伴い,巨大な熱の輸送が問題となる。蓄熱体を移動させるシステムより,太陽熱集熱地域内において,構造物を移動させるシステムの方が,簡易なシステムとなり,エネルギー収支的にも有利であると考えられる。 海洋上の発電システムでは,広い領域における構造物の移動が可能であり,好ましい気象条件での発電が可能である。このため,表面海水と同程度の湿潤空気を用いても,十分大きな出力が期待される。このため,熱源としては,自然の状態の表面海水の利用が可能であり,海洋生態系への悪影響が懸念される巨大な面積を有する人造の太陽熱集熱領域が不要なシステムの構築が可能であると考えられる。
  • 環境改善への参加
    玉山 昌顕
    1993 年 6 巻 1 号 p. 21-37,61
    発行日: 1993/05/01
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    この抄論は二部から成ります。第一部は地下水に関する提言であり,どちらかといえば国内,身の回りに関する提言です。1.日本全国の地下水マップの作成と地下水収支・水質の把握を提案します。勿論これらは公開型データで,容易に入手できるものであるべきです。2.村,町,区などの自治体が少なくとも1カ所の地下水のかん養,維持,管理をします。さらに,人口10万人につき1カ所の地下水のかん養,維持,管理をします。それらの地下水の全国コンテストを行います。3.国勢統計に水収支を独立させて記載します。米国の地下水情報とわが国の地下水情報量を不完全ですが比較しました。 第二部は炭酸ガス量の抑制ないしは削減に関する提言であり,Cotton Coal CO2 Cycle(4Cs)プロジェクトと名付けました。舞台は石炭の大量消費と綿花の大量栽培が可能な国です。従って,わが国ではありませんが,わが国の科学,技術,経済力が十分に役に立てる提案です。この提言の根拠は先端的技術の開発・選択ではなくて,泥臭い既存の技術を組み合わせて幾つかの環境改善に寄与しようとする試みです。1.直ちに実行できる。2.工業の発展と環境破壊の関係を生産的農作物で融和・解決する。3.自然の植生サイクルを組み込んでいる。4.大量のCO2を固定化できる。5.CO2以外の環境問題,すなわち,石炭灰の浮遊煤塵抑制,砂漠の緑化増進に寄与できる。簡単ですが実行可能な特徴ある提言と考えています。
  • 廃県置州への視点
    市川 周
    1993 年 6 巻 1 号 p. 39-43,77
    発行日: 1993/05/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    80年代を通して2%近く全国平均を上回る形で推移して来た東京都の実質成長率が90年度,10年ぶりに全国平均を下回った。この息切れをバブル崩壊後の一時的な失速と見ることは正しくない。一極集中経済体制を引っ張って来た高性能エンジン東京経済と,その一方的依存関係において連鎖する地方経済との「疲弊のサイクル」に目を向けるべきである。"廃県置州"はこのサイクルから東京経済を解き放つものであり,21世紀に向けた日本経済発展の新たな舞台づくりを用意するものである。
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