この抄論は二部から成ります。第一部は地下水に関する提言であり,どちらかといえば国内,身の回りに関する提言です。1.日本全国の地下水マップの作成と地下水収支・水質の把握を提案します。勿論これらは公開型データで,容易に入手できるものであるべきです。2.村,町,区などの自治体が少なくとも1カ所の地下水のかん養,維持,管理をします。さらに,人口10万人につき1カ所の地下水のかん養,維持,管理をします。それらの地下水の全国コンテストを行います。3.国勢統計に水収支を独立させて記載します。米国の地下水情報とわが国の地下水情報量を不完全ですが比較しました。 第二部は炭酸ガス量の抑制ないしは削減に関する提言であり,Cotton Coal CO2 Cycle(4Cs)プロジェクトと名付けました。舞台は石炭の大量消費と綿花の大量栽培が可能な国です。従って,わが国ではありませんが,わが国の科学,技術,経済力が十分に役に立てる提案です。この提言の根拠は先端的技術の開発・選択ではなくて,泥臭い既存の技術を組み合わせて幾つかの環境改善に寄与しようとする試みです。1.直ちに実行できる。2.工業の発展と環境破壊の関係を生産的農作物で融和・解決する。3.自然の植生サイクルを組み込んでいる。4.大量のCO2を固定化できる。5.CO2以外の環境問題,すなわち,石炭灰の浮遊煤塵抑制,砂漠の緑化増進に寄与できる。簡単ですが実行可能な特徴ある提言と考えています。
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