MACRO REVIEW
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8 巻, 1 号
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  • 木下 輝雄
    1995 年 8 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    「21世紀"海上の道"」は、水資源の豊富な屋久島から大量の水を水道原水として、太平洋側の臨海諸都市(東京、大阪等)に供給するための黒潮を利用する輸送システム構想(輸送量:30万m3/日、1億m3/年)である。海洋開発の一形態でもあり、輸送手段として船舶を主体とせず、フレキシブル(伸縮性)な円筒型タンク(直径=50~60m,深さ=50~55m,容量=10~15万m3)を装備するバージ(艀)に屋久島で水を満載し、黒潮本流に約30m沈め海流に任せる。10日程潜水漂流してバージは、伊豆諸島付近に到達しそこで浮上し、水は水タンカーに積み替えられる。水タンカーは東京へ、空になったタンクバージは運搬用バージに海中で収容される。この運搬バージはタグボートにより水源地、屋久島まで曳航回航され、積まれていたタンクバージは水中で降ろされ海面に浮かび、再び水を積まれることになる。 環境との調和も図りつつこのように形成される水輸送システムの効果は、臨海都市の水道事情の改善(渇水・災害時対策、水質改善)、インフラストラクチャとしての水大量輸送/貯蔵の技術の確立である。なお黒潮の実体の詳細把握、取水・導水・配水等の技術、潜水漂流するバージの制御技術、水タンクの製作技術などの解明、確立があり、また社会的な視点からの多面的な検討も残されいる。
  • 木下 幹夫
    1995 年 8 巻 1 号 p. 34-41
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    湿潤型上昇気流発電の最大エネルギー密度を、地上の大気の気圧、飽和上昇気流の温度、上空の気圧を基礎として計算した。そして、その最大エネルギー密度の時間的変動を、日本南東部海洋上を例として計算した。最大エネルギー一密度には時間的変動が認められる。一定の最大エネルギー密度をを得るためには、飽和上昇気流の初期温度を、気象条件の変動に応じ、±2℃程度調節する必要がある。
  • 小島 紀徳
    1995 年 8 巻 1 号 p. 42-48
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    地球環境問題として多くが取り上げられ、それぞれについては多くの議論がなされている。しかし、そのそれぞれが独立に問題となっているわけではない。本稿では地球環境問題の内、砂漠化を取り上げ、さらには砂漠の積極的利用という観点も含め、地球温暖化問題をはじめとするエネルギーおよび地球環境問題との関わりを述べる。すなわち、まず第一に、陸上植生と二酸化炭素問題との関わりを議論する。ついで砂漠化の一因である薪利用に代わる代替エネルギーの可能性と砂漠におけるエネルギー生産について、環境の視点も含めて議論する。これらの視点は、砂漠を陸上に残された最後の資源として活用する際の、鍵となると考えられる。
  • 松岡 秀雄
    1995 年 8 巻 1 号 p. 49-58
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    何故に社会の持続可能性が言及されるようになり、環境に優しいマニュファクチャリングが求められ、持続的成長の視点を踏まえた生産工学が構想されざるを得なくなったのかと言えばそれはまさしく、地球環境問題の顕在化に他ならない。言い換えると、地球規模的に対応が迫られた環境破壊の進展である。 マニュファクチャリングは、そしてその知的基盤となる生産工学は、人類の存亡に係る地球環境問題に、どのように対応するのであろうか。対応には限界があるのだろうか。 ここでは、地球環境問題の展開が、人工環境の構築を媒介とした近代化の進展によることを明らかにし、人工環境の構築に中核的な役割を果たしているマニュファクチャリングをめぐる諸問題点を論及する中で、新しいマニュファクチャリングを構想する。
  • 宮本 隆司
    1995 年 8 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    特許明細書の記載方式が、項分け記載にすべく特許法が改正されて久しい。これに伴って、発生した以後の発明の進歩性に対する裁判所の判決の変化の正否を日本と米国の項分け記載欄と比較し論じた。それにより、技術研究者が、明細書の原稿を書く場合の注意点を述べた。 一方、特許権とは何かを考え、特許制度の正しい運用を述べた。
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