1) 昭和24年2月5日8時頃新潟縣焼山が爆發し,その噴煙雲はおりからの季節風に流されて遠く關東地方の北部一帯にまで火山灰を降らせた.
2)この噴煙雲に伴つて柿岡地磁氣觀測所のベンドルフ自記電位計には空中電位傾度のじよう亂を記録した.
3)そのじよう亂は淺間山や櫻島と同様負で, 11時頃から12時頃までにわたり, -1200V/mをこす位の灣形の攣化であつた.
4)上層氣流や高層氣象の方か見ると噴煙雲の本體は4km位の高さにある.
5)4kmの高さにある電荷分布のモデルで實測のような電場變化を與えるものは;雲の先端の方では電氣量が少なく,中央で多くなり,尾端で又少なくなるような紡錘形分布である.
6)電氣量の合計は-0.55 coulである.
最後に柿岡地磁氣觀測所長今道周一博士,筑波山測候所長相良大作氏,高層氣象臺本庄出張所長内川規一氏,本多彪理學士等の有益な通報と,川崎酉氏の有効な御助力に厚く感謝する次第である.
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