気象集誌. 第2輯
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37 巻, 6 号
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  • 磯野 謙治, 駒林 誠, 小野 晃
    1959 年 37 巻 6 号 p. 211-233
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    東京で氷晶核の日日観測を行い,-13°C,-15°C,-20°Cの各温度で働く氷晶核数を測定した結果,核数の日日変動が大変大きいこと及び大陸の空気が日本に来た場合には核数が多く,太平洋の空気が来た場合には核数が少いことが見出された。
    特に中国の北部及びモンゴルの乾燥地帯で風塵を経験した空気が寒冷前線に伴つて日太に来た場合には著しく大きい核数が観測された。一方海洋性気団の中の核数は少いが,しばしば大きい核数が観測され,これは日本の火山爆発に伴つていることが見出された。
    室内実験で日本の10個の活火山の火山灰,中国の北部の黄土,北海道の雪に混つて降つた黄土,観測点附近の土壌,及び石質阻石の氷晶核としての能力を測定した。
    これらの結果から大気中の主な氷晶核は乾燥地帯から吹き上げられる土壌鉱物(特に粘土鉱物)及び火山灰であることが結論される。
    尚火山灰等の氷晶核としての能力を論ずる際には各種造岩鉱物及び海水成分塩類の氷晶核としての能力を測定した結果を一部加えて比較すると共に,氷晶核の発源地に関する今迄のいくつかの説については気団の移動その他の点で問題があることを指摘した。
  • 栗原 宜夫
    1959 年 37 巻 6 号 p. 234-257
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    大規模な山岳周辺の風速,収れん発散,垂直流の分布,山越え気流等を実測風を用いて調べた。数値解析はロッキー山脈周辺について,50mb毎に200km間隔の格子点網を用いて行った。
    第3節には山岳周辺で風速が弱いこと,ロッキー山脈が西風に対して障壁となっていること,山越え気流の有様などが示されている。次に第4節では,時間平均を施した運動方程式において,各項の大きさを調べ,平均的にみて力の釣り合い関係がどうなっているかを報告する。平均的には気圧傾度力の80パーセント以上がコリオリカと釣り合い,残りの部分はレイノルズ応力と釣り合っている。しかし地面付近では摩擦力の影響が大きくなる。地面付近の交換係数を求めてみると105C.G.S.程度となる地点が多いが,ある一つの値を決めることは困難であった。最後の第5節では山岳周辺のエネルギー収支を調べた。その結果,われわれの選んだ1957年1月は,ロッキー周辺ではavailableポテンシアルエネルギーがつくられ,その3分の1が運動エネルギーに変り,残りの3分の2は輸出されること,運動エネルギーについてみてもこの地域はエネルギー源となっていることがわかった。
  • 栗原 宜夫
    1959 年 37 巻 6 号 p. 258-273
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    月平均の気候資料を用いて冬季の米大陸上の熱収支と水蒸気収支を計算し,その解析を行った.
    熱収支の計算によれば,地面に近い層はおおむね冷源であり,ネバダ砂漠付近と五大湖の南方に弱い熱源がある.700mbより上層では場所によってはかなりの熱源がみられる.地上から500mb面までの全層について調べると,ロツキー山地とその東の平野の南部に300∼4001y⁄dayの熱源があり,その他の部分は冷源となっている.
    次に水蒸気の凝結によって放出される潜熱の分布を計算して上記の冷熱源と比べると,凝結の多いところは熱源とよく対応している.一方長波による放射冷却は3001y⁄day程度と推定され,この二つは冷熱源を構成する大事な要素である.地上からの顕熱の補給は,純輻射量の分布の計算から推定してみたところ,上記の二つの要素よりは小さいことが分った.太陽放射の吸収,熱の擾乱輸送については調べていない.
    水蒸気収支の計算結果を実測された降水量と比較すると,凝結量が降水量よりも非常に多すぎる地域がある.このような地域では雲ができても雨になることが少ないと考えられ,雨日数の曇量8以上の日数に対する比率を求めるとこの地域では30%前後で,他に比べて小さい.大気中の水分輸送に果す雲の役割は今後検討を要する問題であろう.
  • 福田 矩彦, 佐野 傑, 朝岡 正雄
    1959 年 37 巻 6 号 p. 274-278
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    氷晶核として有効性の顕著な沃化鉛の単結晶を作り,その上における氷晶の発生,成長の状況を観察した。
    方法:冷却法により過飽和溶液から沃化鉛を析出させたガラス板をガラス製装置内に封入し,これを0°以下の軽油中に浸し,一旦真空にした後純粋の水蒸気を送つて氷晶を発生させ,その成長をカメラで記録する。
    結果:(1)氷晶は沃化鉛単結晶の辺,角等に発生し易く,また,平行連晶の現象を示して成長する。(2)氷晶を最初に発生させるには沃化鉛を-7°Cに冷却する必要があるが,氷晶を蒸発させて再び実験をくりかえす際には-3°Cでよい。ただしこの場合,氷晶は必らずしも前の場所に発生するとは限らない.(3)アルコール蒸気を触れさせると沃化鉛は氷晶生成能力を失い,また,出来ていた氷晶は融解する。
  • N. KITAGAWA, M. KOBAYASHI
    1959 年 37 巻 6 号 p. 279-281
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
  • T. TAKAHASHI
    1959 年 37 巻 6 号 p. 281-283
    発行日: 1959/12/25
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
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