1955年1月30日,西日本を通過した前線に伴ってメソ擾乱が発生し,30m/sec.以上の突風を観測した。西日本および朝鮮の各気象台の自記紙等を用いて,このメソ擾乱の詳しい解析を行った。
メソ高気圧は長さ500km,巾50kmにおよび,午前9時から午後9時消滅するまで,約12時間追跡できた。メソ高気圧は寒気から成り,その前面に強い風の収敏があった。初期には,メソ低圧部に降水がみられたが,顕著な気温急下降と,突風とが観測された最盛期には,降水はメソ高気圧の内にみられた。メソ高気圧の前面の気圧傾度は,地衡風にしておよそ150m/sec程度であった。運動方程式の各頃の大きさの吟味を行ったところ,この大きな気圧傾度とみあうものは,地上風の時間変化であることがわかった。移流頃,地上まさつ等の大きさも吟味した。
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