気象集誌. 第2輯
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39 巻, 2 号
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  • 荒川 昭夫
    1961 年 39 巻 2 号 p. 49-58
    発行日: 1961/12/28
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    帯状平均流,運動量の渦動輸送,じよう乱の運動のエネルギー等の時間変化を支配する,閉じた予報方程式系を用い,正圧・非発散大気における大循環の変動の問題を取扱う。さらに正圧大気におけるじよう乱の安定度の物理的解釈を試みる。
    ジエツト・ストリームの運動には次の3つの型が存在し得る。第一の型は正圧不安定の場合,すなわちジエツト・ストリームが鋭い風速の極大である場合に期待されるもので,その分裂のような現象に対応する。第二の型は正圧安定の場合,すなやちジエツト・ストリームがゆるやかな風速の極大である場合に期待されるもので,その運動は主としてじよう乱の運動のエネルギーの南北分布によつて支配ざれる。第三の型は,以上2つの型が交互にあらわれる特徴を持つ。
    帯状平均流の試験的な予報の結果を示す。
  • 千秋 鋭夫
    1961 年 39 巻 2 号 p. 59-81
    発行日: 1961/12/28
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1955年1月30日,西日本を通過した前線に伴ってメソ擾乱が発生し,30m/sec.以上の突風を観測した。西日本および朝鮮の各気象台の自記紙等を用いて,このメソ擾乱の詳しい解析を行った。
    メソ高気圧は長さ500km,巾50kmにおよび,午前9時から午後9時消滅するまで,約12時間追跡できた。メソ高気圧は寒気から成り,その前面に強い風の収敏があった。初期には,メソ低圧部に降水がみられたが,顕著な気温急下降と,突風とが観測された最盛期には,降水はメソ高気圧の内にみられた。メソ高気圧の前面の気圧傾度は,地衡風にしておよそ150m/sec程度であった。運動方程式の各頃の大きさの吟味を行ったところ,この大きな気圧傾度とみあうものは,地上風の時間変化であることがわかった。移流頃,地上まさつ等の大きさも吟味した。
  • 駒林 誠, 池辺 幸正
    1961 年 39 巻 2 号 p. 82-95
    発行日: 1961/12/28
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    Crystals of some benzenoid compounds are found to have abilities of ice nucleation in a laboratory experiment. Terephthalic acid and phthalic acid are superior to the most effective silicate minerals in that ability. Formation of hydrogenbonded linkage between water molecule and carboxyl group is suggested to be an origin of their property of ice nucleation.
    Possible meteorological significance of organic ice nuclei for the formation of rainfall in maritime airmasses is discussed.
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