札幌の7,月々平均気温と前年11,月,同年1,月,3月,5月の北半球99格子点の月平均500mb高度との間の相関係数が,1946年から1960年までの資料で計算された。その結果,11,月のカスピ海北部の高度との間に+0.74,1月のバイカル湖南方の高度との間に+0.72の相関がある。その後,3,月の相関はこれらに比べるとかなり悪くなつているが,5月にはカムチヤツカからシベリヤ東部にかけて十0.6以上の正相関域が現われている。また札幌7,月気温に対する上記11月と1,月の重相関係数は+0.87となつており,7月の北日本気温は前年11月とその年の1月の北半球の循環の状態から確率的に規制されているといえよう。
また,11月のカスピ海の近傍の高度は7,月のオホーツク海高気圧に,1月のバイカル湖南方の高度は7月の北太平洋中緯度高圧帯に関連していることを暗示する高相関が組織的に現われている。
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