気象集誌. 第2輯
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44 巻, 4 号
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  • 福田 喜代志
    1966 年 44 巻 4 号 p. 201-208
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    日本海岸地方の豪雪は,上層寒域が異常に発達して,日本付近に南侵したときに起るが,寒域全体に豪雪があるのでなく,寒域の内部に局地的豪雪域が存在する。この豪雪域はjetの北西側で,高層では正渦度最強域付近にあり,下層では擾乱帯があって,この擾乱を構成する微小低気圧が,北陸地方海岸に到達したとき豪雪が起きることを,既に1965年に報告したが,本報では,この海岸豪雪を生み出す擾乱の立体構成の一部につき述べる。
    豪雪時の渦度,発散並に温度につき,各層分布と南北,東西の断面を作って見ると,(1) 400mb高度より下層の異常低温,(2) 400mbより上層の大きな正渦度と収束,(3) 850mbより下層の収束,(4) 700~500mb層の発散が注意される。1960~1964年の期間につき,降雪最盛期2ヵ月の全日数につき,この現象を調べた結果,これは北陸地方海岸豪雪時の特性であることが明らかになった。すなわち,相当低温になっても内陸豪雪,海岸微雪の場合は,最下層が発散か弱い収束である。
  • 吉野 正敏
    1966 年 44 巻 4 号 p. 209-217
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    第I報ではマクロなシノプティック条件によって雨季を4段階に区分したが,第II報では,その各段階における雨量について考察した。
    まず旬雨量の分布からみると,5月上旬から7月下旬まで,つまり雨季の全期間を通じて華中から西南日本に及ぶ降雨帯が存在することがわかった。次に降雨量の極大がでる時期の分布を求めた。その結果は,雨季の最初には華南に現われ,次第に東アジア全域を北上してゆく。これを前線帯の移動と比較すると,この極大の時期の南から北への移動には前線帯の移動との関連が強い。しかし,雨量の絶対値そのものは極大値は北ほど小さく,降雨量は西南日本の太平洋岸に沿う地域がつねに多い。そのため,雨季を通じてある特定の位置に降雨帯が停滞することになるしかし,前線帯の南から北への移動と,降雨量の極大の出現時期の北への移動,或いは降雨帯の南北移動との関係を,120°E,130°E,140°Eに沿って調べると,これらの諸関係はそれぞれの地域で異なる。すなわち,雨季の構造が中国付近と日本付近とでは異なるようである。
    最後に,東アジアの雨季のクライマックスである第III期の代表的な場合(1954年6月24日~7月13日)の雨量分布図を示した。この20日間の雨量で,降雨帯の中心では500mm以上あり,明らかな帯状分布が揚子江下流地域から九
  • 礒野 謙治, 駒林 誠, 高橋 勘, 田中 豊顕
    1966 年 44 巻 4 号 p. 218-226
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    冬期北西季節風の際,北陸沿岸地方に発達する対流雲から,その雲頂の高さに比べて多量の降雪がある。飛行機上及び輪島で行なわれた氷晶核濃度測定結果と,輪島,七尾,宇奈月で行なったあられ,雪の結晶の観測結果と比較した。その結果雲頂の温度以上で有効である「有効氷晶核数」と特に輪島において観測された降水粒子の降下量との間に密接な関係があることが見出された。その他の観測結果と併せて考えると,北陸地方の冬期の降雪では,(1)氷晶核となる粒子の多いこと,(2)雲頂温度が低く,上述の粒子のうち多くのものが氷晶の形成に参加するほどあられ及び雪の単結晶の降下数が多くなる。したがって気温が低いほど北陸地方の降雪量が大きいことは氷晶核の作用によって説明される。この詳細については第6部で述べる。
  • 礒野 謙治, 駒林 誠, 高橋 劭
    1966 年 44 巻 4 号 p. 227-233
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    霰に着目して雪の電荷の地上観測,及び電荷測定用ラジオゾンデを用いた雪の電荷の空間分布観測を行なった。雲粒のついていない雪は負に帯電しているが,雲粒づきよりなる雪片は正に帯電していた。
    雪の電荷測定,実験室での着氷実験結果をもとにして,積雲中での雪,霰の帯電過程を論じた。
  • Eiji Uchida
    1966 年 44 巻 4 号 p. 234-236
    発行日: 1966年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    A halo method (Vittori, 1956) by which one may detect chloride content above 10-13g.was applied to the measurement of chloride content in a single cloud droplet. A transparent film coated with gelatin-gel involving AgN03 was softly contacted upon a residue in a cloud droplet impacted on a Mg0 surface and an induced halo was measured under a phase-contrast microscope.
    By this method it is possible to observe the chloride content in a droplet with the percentage distribution for each size fraction.
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