太陽活動の変動と気象との関係を明らかにする目的で太陽活動の示数となる地磁気の変動度やソーラー•フレヤーを示数にとり,極東各地の日降水量との関係をキー•ディ解析によって調べた。
この結果によると,統計的には顕著なソーラー•フレヤーのあった日に日降水量は増加する傾向がはっきりしている。従来太陽からくる微粒子流が注目されているが,この結果からみるとソーラー•フレヤーにともなって増加する軟X線,または宇宙線などが何らかの機構により降水量を増加させるように働くとみた方がよいようである。多くの地点では地磁気の変動度の大きい日には,むしろ日降水量は減るところが多い。これは,地磁気の変動は顕著なソーラー•フレヤーの起きた時より2,3日遅れて大きくなるので,顕著なソーラー•フレヤーの起きた日に大気中の水が降水となって落ちてしまうとすれば説明がつく。
なお,ところによっては鍵の日より2日目とか6日目頃に2次,3次の降水量の増加が認められるが,これはおそらくソーラー•フレヤーによって生じた降水により,2次,3次の循環が生じ,降水が増すためであろう。
なお,本研究の経費の一部として「異常気象の綜合的研究」に対する文部省の科学研究費の援助をえたので,感謝の意を表する。
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