気象集誌. 第2輯
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47 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • J.A. Businger, M. Miyake, 井上 栄一, 光田 寧, 花房 竜男
    1969 年 47 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    ワシントン大学で開発された位相差方式超音波風速温度計と京都大学で開発されたパルス時間差方式超音波風速温度計との比較観測を行ったが,これらの測器による観測結果はよく一致した.
    資料の解析に当っては記録紙から読み取りその結果を電子計算機によって計算する方法およびアナログ的な磁気記録テープからA-Dコンバーターによって機械的に数値化し,電子計算機によって計算する方法,およびアナログ的な磁気記録のままアナログ計算機によって処理する方法の3つの方法を用いて比較を行ったが,いずれの処理方法によっても同じ結果が得られた.
    観測値の比較の他に観測結果を用いて種々の安定度の下における地表面上での風速鉛直成分および気温の変動のスペクトルおよび両者のコヒーレンスの解析を行った.
  • 牛島 敏光
    1969 年 47 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    大雨が降るときは,しばしば下層にジェットを伴っており,大雨の要因をこのジェットに求めようとする考えもある.しかし,その構造は案外わかっていないよらである.ここでは,1965年7月2日,九州地方に大雨を降らせたメソ低気圧に伴ら下層ジェットを解析し,その構造を明らかにしようと試みた.この際,九州地方では,高層観測網が貧弱であること,低気圧が関東地方まで変動なしに東進したことの理由から,140°E付近を通過した3日9時の資料を用いて解析した.このさい,地上でよく用いられるメソ解析の手法,時間-空間変換の手法を,高層解析に用いた,その結果は次のように要約される.
    1.低気圧の中心と下層ジェットの核と,強い上昇流域との間には,ある関係が存在する.すなわち,低気圧の進行前面にジェット核があり,その風下に垂直運動の活発な区域がある.
    2.上昇流域は,高さ4km,,水平方向の直径500kmの薄いほぼ円形となっている.垂直と水平方向の長さの比は,おおざっぱに1:100であった.
    3.台風の構造に似た,上昇流域の中にせまい円形の下降流域があった.
    4.低気圧の中心付近は,高度3km以下で周囲より冷たい空気におおわれている.これは,降雨冷却によるものと思われる.
    5.Subtropicalジェットと下層ジェットとの間には,650mb付近に中心をもつ弱風(5m/s以下)域が存在する.
    本研究は,気象研究所地方共同研究の一部をなすものである.
  • 高橋 劭
    1969 年 47 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    ×温度勾配下のもとで霜を破壊し,そのとき発生する電荷を振動容量型電位計で測定した.10°C/cmの温度勾配下
    では0.3e.s.u./cm2の電荷が発生した.雲中で霰と雪一回の衝突当り3×10-5e.s.u.の電荷分離が考えられた.
  • 菊地 幸雄
    1969 年 47 巻 1 号 p. 29-54
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    天気及び気候に対するブロッキング過程の重要性はすでにすでに多くの研究により知られている.ブロッキングは非常にスケールの大きい現象であるから,その形成,維持に地形や海陸分布が欠くことのできない要素であることが想像される.ここでは地形及び海陸分布を考慮した地衡風方程式系をスペクトル法により時間積分してブロッキング過程の再現を試みた.計算結果は実際に見られるようなブロッキング過程とこれに対応して二重ジェット流を持つ帯状流分布を示している.
    更にブロッキングに関連する力学的性質を調べるため,熱,角運動量,エネルギーの収支を持続的な強い二重ジェット流が現われた期間と他の期間について比較した結果は次のように要約される.
    1)二重ジェット流の卓越する期間には,非常に多くの熱が擾乱によって,高緯度に輸送され,これに対応して4一細胞平均子午面循環が現われる.
    2) この結果,高緯度の上層では角運動量が最も北の細胞である間接循環によってこわされ,これを補うように擾乱が角運動量を高緯度へ運んでいる.この擾乱による高緯度への角運動輸送が二重ジェット流の北の枝流の形成,維持に寄与している.
    3) 以上述べた二重ジェット流の卓越する期間中の高緯度への熱及び角運動量の輸送には,この期間中特に強い発達を示している波数2の擾乱が大きな役割を果している.
    4)波数2の擾乱は,上層では有効ポテンシャルエネルギーからの転換と気圧力による下層から上層への運動エネルギーの輸送によって養われ,下層では主に山の影響による運動エネルギーの帯状流から擾乱への転換によって養われている.
    5)海洋と大陸上の非断熱効果による加熱,冷却の差は二重ジェット流の卓越する期間には小さくなる.
  • 浅井 冨雄
    1969 年 47 巻 1 号 p. 55-56
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
  • 山下 晃
    1969 年 47 巻 1 号 p. 57-58
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
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