気象集誌. 第2輯
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47 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • スブラマンヤム V.P., サストリ C.V.S.
    1969 年 47 巻 4 号 p. 239-244
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    Subhumid climates form the intermediate category between the dry and wet types on either side in the so-called “specturum of world climates”. Water balances in these zones fluctuate so markedly from year to year that even in normally moderate climates, extreme conditions of aridity on account of severe water shortages and humidity due to enormous water surpluses are not at all uncommon in them.
    The average annual rainfall in these regions is just below or above their water need with the result that even a slight departure of the yearly rainfall from normal is very significant in affecting the agricultural production of the region considerably. Hence, an intensive study of droughts and aridity in the subhumid climates, particularly of the dry subhumid category, is very essential.
    Frequency and intensity of droughts of various categories in the dry subhumid zones of South India are critically examined in this paper. The region is initially delineated employing the Thornthwaite scheme of climatic classification (1948) and the modified water balance procedure (1955). Four representative stations from the different sectors are selected, after studying the water balances of a number of stations in the entire region. “Aridity Index”, (the ratio of annual water deficiency to annual water need, expressed as a percentage) is taken as the basic parameter for the present study. Departures of aridity index from the median are calculated and using the scheme proposed by Subrahmanyam and Subramaniam (1964) droughts are categorised. At each of the four stations, the occurrence of drought is studied, both from the point of view of frequency as well as its intensity. The decennial frequency of droughts, climatic shifts and water balances of some stations for a few extreme years are also examined.
  • 丸山 健人
    1969 年 47 巻 4 号 p. 245-254
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    1957年7月から1960年6月までのCanton Island(S02°46',W171°043')の上層の風と温度のスペクトル解析により,赤道成層圏下部には二つの型の擾乱が顕著にあらわれることが示された.一つはKelvin波と考えられるもので,もう一つは混合Rossby重力波と考えられるものである.この二つの型の擾乱の出現は準二年周期振動と密接な関係がある.Keivin波は基本流の西風運動量が急速に増加するときに目立ってあらわれるのに対し,混合Rossby重力波は基本流の風速の絶対値が減少するときにあらわれる.どちらの型の擾乱も西風運動量を上方にはこぶことが示された.混合Rossby重力波による西風運動量の上方輪送量はKelvin波によるものと同じくらいである.
  • 松本 誠一, 秋山 孝子
    1969 年 47 巻 4 号 p. 255-266
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    1967年7月9日,日本列島西部地域に発生した豪雨に関連して,顕著な中規模擾乱が観測された.波長が100~200km,収束量は10-4sec-1のオーダーその他の性格は豪雪の際にみられた擾乱の特徴ときわめて類似している.
    大量の降水は隣接地域に発達した優勢な発散域から補給されているようである.降水域面積と個々の降水細胞の強度は3時間程度の周期の脈動現象を呈し,これが大規模降水の変動に反映している.
    地上風発散•渦度場に関する定量的議論を試みる.
  • 松本 誠一, 常岡 好枝
    1969 年 47 巻 4 号 p. 267-278
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    昭和42年7月9日西日本の各地に集中豪雨による大きな災害が記録されたが,このときの自記雨量観測資料により詳細な解析を行った.中規模の降雨細胞には2種類あって,一つは移動系他は停滞系と分類されることが分った.この二つの系とも脈動現象を呈し,その結果総観規模の面積で積算した総降水量が3~4時間という短かい周期で変動している.
    7つの移動系および18この停滞系に基ずき,中規模降雨域の寿命•面積降水量•降雨強度などに関する統計的な性質を調べた.
  • 内田 英治, 大田 正次
    1969 年 47 巻 4 号 p. 279-291
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    暖かい雲の中で大雲粒の生成される機構につき,乱れの影響が論じられている.
    シミュレーションによる計算をする際の基礎となる野外観測のデーター(山岳における層状の雲の雲物理学的総合観測および雲粒の空間濃度の変動の観測)が解析され,大気の成層の不安定によって生じた雲中の乱れが,かなり大雲粒の生成に効果のあることが示嗟される.このデーターを基にしてモンテ•カルロ法を用い,雲粒子がただランダムに空間に配列されている場合と,乱れにより濃淡の度合が大きい場合に,その中を落下する大粒子はどのように異って成長するかにつき比較を行った.後者の場合,大雲粒子の中には前者の場合よりずっと速かに成長するもののあることがわかる.
  • 島貫 陸
    1969 年 47 巻 4 号 p. 292-297
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    いわゆるKEYPSの式を修正して,山本と島貫が導いた風速シヤーの方程式(4)の近似根を求めた.その結果は|ζ|1/2と|ζ|1/3の有理式として(9)で与えられる.ここでζは高さと安定度を表わす長さとの比として(3)によって定義される.このようにして得られた風速シヤー,風速,および拡散係数の近似式に含まれる相対誤差は不安定の時に0.4%安定の時に0.6%を越えない.近似根を求めた経過を付録Aに,またこの近似式を用いて電子計算機で風速や拡散係数を計算するためのFORTRAN副プログラムを付録Bに与えた.
  • 羽室 正彦, 河田 好敦, 松田 節子, 松野 太郎, 中村 則行, 朴 東廉, 武田 喬男, 柳井 迪雄
    1969 年 47 巻 4 号 p. 298-309
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    1959年の伊勢湾台風(Vera)に伴った降雨のcase studyを行なった.毎時雨量の分布図を見ると,台風に伴った降雨量はほとんど地形に依存しているかのようである.しかし雨量強度の時間変化の解析から,台風中心を取囲む交代する強雨,弱雨のよく組織された帯の存在が明らかになった.地上気圧場にも同様の帯状構造がある.レーダー写真との比較により,これらの帯はレーダーでみる降雨帯(rain bands)の群に対応していることが判った.
  • 小倉 義光, 竹田 厚, 木村 竜治, 平 啓介, 中井 俊介
    1969 年 47 巻 4 号 p. 310-318
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    観測船(凌風丸)から,赤外線放射温度計を用いて,対島暖流域の表面水温の測定を行なった.1968年7月15日正午からの3昼夜にわたり,九州西方海域(310°N-130°E)で東西に3測線をとった,放射温度計の測温結果はインテーク法による抵抗線式水温計のそれと一致した.対島暖流の前線における東西方向の表面温度勾配は南側程大きかった.暖流水は10°Cの幅をとれば.100kmのスケールでほぼ一様であることがわかった.
    凌風丸による観測の直前に飛行機から同じ放射温度計を用いて海水表面温度の測定を行なった.まず,大気による赤外線の吸収の影響を調べたところ,飛行高度が1km増すと指示温度が20°C低くなる結果を得た.これを補正したデータについて船の通常観測の結果と比較し,低高度(600m)飛行中に得たデータに対しては良い一致が見られた.また南北方向の観測線に沿って1°/130kmの温度勾配があることがわかった.
  • 小倉 正子
    1969 年 47 巻 4 号 p. 319-323
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
    ボアソン方程式の数値解法としては,緩和法が広く用いられてきたが,これらの方法では精度のよい解を求めるためには,時間がかかりすぎるという欠点があった.ここでは長方形の変域上で定義され,Dirichlet型の境界条件をもつポアソン方程式より得られる微差方程式を直接といて解を求める直接解法についてのべる.即ち固有ベクトルを用いて座標変換を行うことにより,この方程式を互に独立な連立一次方程式の集合としてあらわし,三重対角行列をもつ各々の連立方程式を解くことによって,もとの微差方程式の解を求める.この解法によれば,十分な精度の解が得られ,また,座標変換のさいの行列の乗算に,1966年にCooley及びTukeyの提案したFast Fourier Transform法を用いることによって,演算回数も十分少くすることができる.
  • 桜井 兼市
    1969 年 47 巻 4 号 p. 324-328
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/05/27
    ジャーナル フリー
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