水滴のスプラッシュにともなう種々の物理的な現象が,衝突速度,水滴半径,表面張力,衝突面の曲率半径や粗さ,さらに衝突面上の水膜の厚さといったパラメーターのもとに研究された。その結果,スプラッシュによってできる微水滴の数は,衝突面の粗さ,衝突速度,水滴の大きさとともに増すが,水膜の厚さが増加したり,また水滴の表面張力の減少とともに減ることがわかった。ある大きさの水滴に対して,スプラッシュが生成される数は衝突時の運動エネルギーに比例していた。スプラッシュによる微水滴の粒径分布はほぼ109-nomalの形で,とび出る微水滴の平均粒径は使用する水滴,衝突面の粗さ,水膜の厚さとともに増えるが,衝突速度の増加や表面張力の減少とともに減った。
スプラッシュによって生成される微水滴の数(N)は水平な面に衝突させる水滴の半径(rcm)とその速度(V m•s
-1)によって表わされ,その関係式は(N=3400r
3V
2)-63である。また半径0.75mmより小さな水滴を用いて微水滴をとび出させるには水滴の終末速度より大きな衝突速度が必要であることもわかった。
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