予報解析サイクルでの,静止気象衛星に基づく風のデータの影響を,normal mode theoryを応用して調べた。
衛星の風の解析に及ぼす影響は,meridional indexの小さい,planetary scaleのexternal Rossby mode,特に,5 day waveと呼ばれるものに,大きく現われ,これは,予報期間の間にも維持され,西進していった。
予報に及ぼす影響は,planetary scaleの影響と,synoptic scaleの影響とに大別出来る。前者は,いわゆる,"tropical effect"と関連し,また,解析の中で,予報誤差の垂直講造に,大きく依存する。後者は,一般場の変化を通した,傾圧不安定に基づくものであり,localな風の解析そのものに依存する。
衛星の風を最も有効に使用するためには,衛星の風の精度を決めること,及び,衛星の風が覆う地域の,予報誤差の構造,特に,垂直構造を知ることが不可欠である。
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