気象集誌. 第2輯
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66 巻, 6 号
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  • Laban J. Ogallo, J.E. Janowiak, M.S. Halpert
    1988 年 66 巻 6 号 p. 807-822
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    この研究では,30°より低緯度側の全球海面水温(SST)と,東アフリカ(ケニヤ,ウガンダ,タンザニア)の季節的降水量の回転主成分分析(RPCA)の主なモードとの相関を,(950-79の期間について調べた。地球ごとに平均された降水量とSSTとの相関も調べた。計算された相関の物理的現実性と気候学的安定性も,もとの2°×2°グリッドのSSTデータのかわりに,6°×6°SSTデータを用いることにより調査した,パターンの安定性域はさらに,SSTと降水量のもとの時グリッドの系列データセットから最大5組のランダムな記録を取り除くことによって,検定された。その結果,全球的な海洋のいくつかの地域と東アフリカの季節的降水量のいくつかの主なモードとのあいだに,有意な同時及び時差の相関のあることがわかった。最大の同時期間は北半球秋における太平洋でのSSTと,海岸地域に卓越する秋雨との間のシーソパターンを示しこれは東アフリカ海岸地域でRPCAモードとの間に見出された。この有意な相関の空間パターンは東太平洋とインドネシア地域での降水量の正偏差と一致してあらわれており,この地域の降水量変動がENSO現象と関係していることを示している。SSTと内陸域に卓越するRPCAとの相関は,空間的にも時間的にもより低い持続性を示している。SST偏差で説明できる季節的降水量の極大の分散は約4%である。
  • 中澤 哲夫
    1988 年 66 巻 6 号 p. 823-839
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    3時間間隔の静止気象衛星赤外(GMSIR)データを用いて超雲団の細かな構造を解析した。超雲団は,異なるライフステージを持ったクラウドクラスターの集団として定義され,数千キロの水平スケールを持ち,季節内変動の活発期に赤道付近で観測される。超雲団は,東向きに,秒速10-15mで動いている。個々のクラウドクラスターは1-2日の寿命を持ち,その位相伝播は赤道で西向きである。個々のクラウドクラスタ-は西進するが,成熟期のクラウドクラスターの東に新しいクラウドクラスタ-が次々に生成されるので,超雲団は東進する。上記の結果は,熱帯大気の対流活動に階層性が存在することを示唆する。
    1986年11月,1986/87ENSO の発生期に見られた,西太平洋から日付変更線まで東進する超雲団についても解析した。
  • 高橋 庸哉, 福田 矩彦
    1988 年 66 巻 6 号 p. 841-855
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    雪結晶を浮遊成長させることができる鉛直過冷雲風洞を使って,-4•-20°Cで結晶成長時間30分までの実験を行い,雪結晶の水飽和下での気相成長および雲粒捕捉成長を調べた。
    得られた結果は以下のようである;1)樹枝状結晶及び針状結晶の成長に対応して,a軸方向には-15°C,c軸方向には-5.5°Cで成長が著しく速かった;2)-15°C以下では多結晶(立体樹枝•立体角板)になることが多かった;3)雪結晶の落下速度の時間変化は,樹枝状結晶では曲線と直線,その他では2本の直線で表せた;4)各温度での落下速度の時間変化は2グループに分類できた。落下速度の速いグループでは,等方的な結晶が成長し,雲粒捕捉を起こした。一方,落下速度の遅いグループでは,気相成長を続け,樹枝状結晶や針状結晶が成長した。30分間に前者では700•800m,後者では300•400m落下した;5)-10°Cで成長した等方的結晶は霰に変化した。その過程を'気相成長期'•'遷移成長期'•'霰成長期'の3段階に区分することができ,結晶質量はそれぞれtl/2, t2およびt6に比例した。降水粒子の落下は,気相成長期ではストークスの抵抗法則,霰成長期ではニュートンの抵抗法則に従った。
  • 廣岡 俊彦, 九鬼 隆成, 廣田 勇
    1988 年 66 巻 6 号 p. 857-868
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    対流圏及び成層圏の全球データを用いて, 中間規模波動(緯度円に沿った波数が4から7の波動)の南半球と北半球における性質を調べた。解析期間は1982年7月から1986年4月までである。
    南半球では,中高緯度の緯度円に沿って一様に分布している中間規模波動が, 一年を通して観測される。 但し冬季には, 他の季節よりも幾分小さな波数の波動が卓越する。 その鉛直構造や一様な東進などの特徴から, これら南半球の中間規模波動は傾圧不安定波と考えられる。
    一方, 北半球では, 中間規模波動は夏季にしか一様な構造を持たない。 この波は,その特徴から停滞性の傾圧不安定波である地形性不安定波と考えられる。
  • 上田 博, Dusan S. Zrnic'
    1988 年 66 巻 6 号 p. 869-881
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    ドップラーレーダーの速度成分のデータを用いて雷雲に伴う突風前線の微細構造を調べた。速度成分の変曲点の面的分布(アンテナの水平回転による)をスペクトル幅及び水平シアーと同時に調べた。解析は,米国オクラホマ州における,1981年5月9日と4月13日の2例について行った。前者の例では,3つの不連続な波状列をもつ,発達した波が識別された。このうちの2つの波は60km程度の長さをもつ変曲点の列であったが,第3の波は識別限界すれすれであった。解析した2例とも,主な突風前線の後方の2次的な構造は,長さ20km以下で継続時間の短いものであった。注意深い解析により,低高度では,大きなスペクトル幅と大きな水平シアーをもつ領域は主な変曲点列のすぐ後方にあることがわかった。しかし,対応する変曲点列をもたない,大きなスペクトル幅や大きな水平シアーをもつ領域も存在した。このように,スペクトル幅や大きな水平シアーの値のみから突風前線の位置を検出することは困難である。変曲点列は,突風前線の位置を示すだけでなく,種々の波動の位置の良い指標であることがわかった。さらに,突風前線前方の気流中にみられたこのような波のパターンについても議論する。
  • 時岡 達志, 山崎 孝治, 鬼頭 昭雄, 尾瀬 智昭
    1988 年 66 巻 6 号 p. 883-901
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    赤道域季節内変動について,荒川•Schubert 積雲対流モデル(AS モデルと略記)を含んだ大気大循環モデルを用いて水惑星の条件及び現実的条件下で数値実験を行なった。AS モデルの中に,積雲への周囲の空気の捕捉率についての最小値μmin をμmin=α/Dで導入した。D は大気境界層の厚さで,αは無次元定数。正のαを用いると, D が厚くない領域では背の高い積雲対流を抑え,大規模場の下層収束域に水蒸気が集中しやすくなる。この過程は赤道域30-60日振動を維持する上で重要であるのみならず,夏の北太平洋高気圧の再現にとっても重要であることが分った。
    α=0(元来の AS モデル)の場合,赤道域には30~60日振動は現れず,東西波数1の中立ケルビン波に近い東進する準10日振動が存在する。この波による東西下層収束域(LLCL)には湿った空気が集中しない。これは AS モデルが成層の不安定化作用に対して敏感で,基本場成層の悪い LLCL の西側域では海面からの蒸発に対して背の高い積雲対流が応答し,水蒸気を上層へ効率よく運んでいるためである。
    α=0.1とした場合,東西波数1の東進する準30日振動が現れる。α=0とは異なり LLCL で湿っている。又,加熱分布が大きく変化している。自由大気中でおきる中層対流が LLCL の経度で増加し,LLCL の西では背の高い積雲対流が抑えられたためである。この波の構造は観測されているものに近い。α=∞(AS モデルによる積雲を一切なくする)の場合,東西波数1の東進する準45日振動が現われる。これはα=0.1の場合の準30日振動に似たものである。
    αを0から増加させていくと,低緯度の静力学安定度が低下する。又,帯状平均した加熱最大の高度が低下する。同時に東西波数1の振動に伴なう加熱分布の振幅の最大高度も,α=0では300mb だったのがα=0.1~∞では500mb に下がってくる。これらの変化は赤道域季節内変動を惹きおこすのに適した条件になっており,CISK モデルによる線型安定性の結論と一致している。
  • 中川 清隆
    1988 年 66 巻 6 号 p. 903-912
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    下向き長波放射の非等方性を考慮して,任意の方位角と天頂角を持つ天空要素から地表面に到達する下向き長波放射流束を,地上気温,水蒸気圧および天頂角の関数として表現した。さらに,この天空要素の天空率が,天頂角のみの関数であることを導いた。これらの関数を用いて,稜線高度角が一様な場合の天空率,遮蔽率および遮蔽物による付加放射量の,稜線天頂角と地上の気温,水蒸気圧および遮蔽物の表面温度からの推定式を導いた。この推定式による値は,地上気温と遮蔽物の表面温度が等しいと仮定して示されている近藤(1982)の遮蔽率の値と良く一致した。等方性放射に対する遮蔽率は非等方性放射に比べて大きく,この傾向は水蒸気圧が大きく稜線高度が低いほど明瞭である。この式を応用して,魚眼レンズによって撮影された全天写真からデジタイザーとコンピュータを用いて天空率と遮蔽率を算定する新しい方法が提唱された。
  • 海面水温異常と積雲対流パラメタリゼーションの影響
    鬼頭 昭雄, 尾瀬 智昭, 山崎 孝治, 時岡 達志
    1988 年 66 巻 6 号 p. 913-925
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    気象研究所大気大循環モデル(MRI•GCM-I)を用いて1984年夏のケースについて,海面水温異常および積雲対流パラメタリゼーションのインパクトを調べた。実験は1984年の実際の海面水温を用いたランと気候値の海面水温を用いたラン,オリジナルの荒川•シューベルト積雲対流パラメタリゼーションを用いたラン(Aモデル)とエントレイソメント率の最小値と予報した大気境界層の厚さの間に付加条件を課したラン(Mモデル)とをそれぞれ行なった。
    低緯度の季節内変動はAモデルよりもMモデルでよく捕らえられている。1ケースでは200mbの速度ポテンシャルに現れる赤道の東進波数1成分が20日隙にわたってその位相•振幅共によく予報できたが,この予報スキルは初期値に依存している。Mモデルによる気候値のシミュレーションもAモデルより多くの点ですぐれており,太平洋の亜熱帯高気圧や6月下旬の梅雨に似た降雨帯をシミュレートできた。MモデルはAモデルよりも成層が不安定なためモンスーンが活発であり,境界条件(この実験では海面水温異常)に対する敏感度も大きい。海面水温異常のインパクトもMモデルのほうがAモデルよりよく捕らえられている。
    低緯度の予報スキルは月平均値では月毎に変動し海面水温異常のインパクトは明らかではないが,これは実験が1ケースのみのためのサンプリングエラーによると考えられる。しかし2か月或いは3か月平均値を取ることによって,予報開始2か月目以降のスキルは上昇し,特に熱帯のMモデルのスキルはよくなることが示される。
  • 二次元核成長及びスパイラル成長
    横山 悦郎, 黒田 登志雄
    1988 年 66 巻 6 号 p. 927-936
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    氷結晶の気相成長は,次の三つの素過程から成り立っている。(1)結晶表面で水分子が結晶格子に組み込まれる過程(表面カイネティック過程),(2)結晶表面へ向かう水分子の拡散過程,(3)熱伝導による昇華熱の排除過程。結晶が成長する際に,これらの過程の抵抗は一定でなく,過飽和度や拡散係数などの成長条件及び結晶サイズに依存する。この論文の目的は,表面カイネティツク過程が二次元核成長,スパイラル成長のいずれかによって進行する場合に,成長条件を変えて,各過程が律速過程として果たす役割を定量的に評価すること,及び成長速度の結晶サイズ依存性を求めることである。得られた結果は,個々の過程の抵抗の結晶サイズ依存性という観点から解釈される。
  • 榊原 均, 石原 正仁, 柳沢 善次
    1988 年 66 巻 6 号 p. 937-953
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    冬季日本海上で発達し,走向にほぼ直角に進んだ二本の対流性線状降雪雲の内部構造を,おもに1台のドップラーレーダーの観測データを用いて記述する。
    これらの線状降雪雲は寒気吹き出し初期に,相対的に暖かい海面上に形成された厚さ4km以上の対流混合層内に発生した。線状降雪雲は走向に直交する垂直面内にエコーセルを2~3個含むマルチセル型であった。各エコーセルは線状降雪雲の進行方向前面の上空で発達し,中央部で成熟期に達した。古いエコーセルの上部は線状降雪雲の後部の安定層の下にあるかなとこ状の反射強度の弱い領域に残った。上昇流は線状降雪雲の進行方向前面にあった。上昇流はシアーに抗して傾き,また上方の安定層に貰入していた。線状降雪雲の後部のかなとこ状領域の下部には線状降雪雲に相対的に後方から前方に向いつつ下降する流れがあった。この下降流の領域では降雪粒子が蒸発していた。下降流の先端は地上では突風と約1°Cの気温低下をともなうガストフロントとして観測された。この線状降雪雲の循環と維持機構は,熱帯および中緯度のスコールラインに似ていた。
  • 川村 隆一
    1988 年 66 巻 6 号 p. 955-965
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    熱帯インド洋,太平洋の海面水温(SST),西部太平洋の表層水温(SWT)および熱帯対流圏の 700mb東西風(U700)の相互関係を年々変動の特徴的な時間スケールにおいて考察した。
    137°E 線に沿う低緯度域の主温度躍層の SWT アノマリーには準二年振動(QBO)スケールの年々変動が卓越している。その物理過程を調べるために,月平均 SST と U700 に複素経験直交関数(ComplexEOF)解析を適用して,それぞれ卓越した東進する QBO モードを抽出した。U700 の QBO モードはインド洋熱帯域から太平洋にかけて一定の位相速度で東へ伝播し,西部太平洋で最も卓越している。しかし,SST の QBO モードの位相速度は一定ではなく,150-160°E 地域に大きな位相差が存在する。この地域に対応して U700 の振幅が最大となっている。このように,二つのQBOモードは必ずしも調和して伝播するわけではなく,インド洋熱帯域から東進してくる U700 の QBO モードが 150-160°E地域の SST の大きな位相差を生じさせていることが示唆される。熱帯西部太平洋の主温度躍層の SWT は,SSTも含めた表層(深さ 0-50m)のそれと同位相で変動しているので,フィリピン以東の暖水の蓄積と放出に関係する主温度躍層の SWT アノマリーは,熱帯対流圏の QBO モードの変動を伴った,風応力による海洋の力学的応答によって生じている可能性がある。
  • 鬼頭 昭雄
    1988 年 66 巻 6 号 p. 967-986
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    日本の気温と全球海面水温との関係について月平均値を用いて調べた。12月の日本の気温とそれに先だつ中部赤道太平洋(0°N,160°W)の海面水温との問には高い相関がある。この海域の海面水温偏差の持続性は高く,半年前の6月から高相関が続く。しかし11月や1•2月の日本の気温との相関は低いため,3か月平均値を使うと有意な相関は得られない。1•2月の日本の気温は,前年の11月以降の40°N,150°W付近の海面水温と高相関がある。これらの違いは12月と1•2月の東西平均帯状流などの基本場の相違から来ると考えられる。またそれぞれの暖冬*寒冬パターンは異なっている。さらにエル•ニーニョに先行する3月の日本の気温と,その後の夏から冬にかけての東部赤道太平洋の海面水温との間に高い相関が見出された。夏の日本の気温に対しては,初夏の西部太平洋の海面水温と7月の気温の高相関が確認された。
  • 佐藤 薫, 廣田 勇
    1988 年 66 巻 6 号 p. 987-999
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1986年1月22日~24日の48時間にわたり,MU(Middle and Upper atmosphere)レーダーを用いて,対流圏•下部成層圏の風の多数ビームによる東西スキャン観測を行なった。これまでのVHFレーダーによる大気重力波の観測では,ビーム数の制限から鉛直構造のみを調べることが多かったが,本研究では,水平分解能の良い観測データを解析することで,風の場の水平微細構造を直接検出することを試みた。
    観測期間中,下部成層圏において,鉛直スケールが長く(~7km),周期1~2時間の強い鉛直風振動が見られた。そこで,この振動について詳しく解析を行なった。
    まず,高度方向にハイパスフィルター,時間方向にバンドパスフィルターをかけて振動成分を取り出す。次に,隣り合ったビームの視線速度に寄与する風速は局所的に等しいとして東西時間断面図を作成すると,この振動は東西に単色波的であり,東西波長は5~30kmであることがわかった。このような水平スケールの小さい現象に対してはビーム間の風の場の一様性が仮定できない。そこで,東西成分と鉛直成分の位相差を求めるために,単色波を仮定し,東西断面に位置する13の視線速度を,それぞれの高さについて最小二乗法によりフィッテングした。得られた位相差は重力波の理論から予測される値とよく一致し,この振動が内部重力波によるものであることが確認できた。
    東西位相速度は1~5m/sであり背景風の約50m/sに比べて大変小さく,この振動が地面に対して止まっていることがわかる。しかし,下部成層圏に顕著である点などから,山岳波であるかどうかは断定できない。また,東西波長は高度方向に変化していることもわかった。この結果は,この振動が単純に1つの単色重力波で構成されるのではなく,複雑な三次元的構造を持つことを示唆しているこ今後は,東西だけでなく南北にもスキャンする観測を行ない,この振動のより詳しい構造を調べる必要があるとともに,多くの観測データをもとに,平均風への効果,発生頻度,季節変化などについて明らかにしていく必要がある。
  • 柴田 隆, 一森 誠也, 成清 徹, 前田 三男
    1988 年 66 巻 6 号 p. 1001-1005
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    XeF エキシマーレーザーを用いたレイリーライダーにより高度域30から70km間の温度分布が正確に得られる。このデーターを用いて温度変動の鉛直波数パワースペクトルを求めた。このとき,成層圏と中間圏の両スペクトルを同時に求めることができる。観測されたスペクトルの傾斜は-2.5から-3.0の間にあり,これまでに発表された風の測定による値とほぼ一致する。観測された上部成層圏のスペクトルは下部中間圏のそれに比べて小さい,一方,飽和スペクトル理論では成層圏のスペクトルは中間圏のスペクトルより大きいと予想される。この観測と理論によるスペクトルの食い違いについて論ずる。
  • 川村 隆一
    1988 年 66 巻 6 号 p. 1007-1012
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    The sea surface temperature (SST) in the tropical western Pacific displays a marked intraseasonal (30-60 days) variability and fluctuates, exhibiting a coupling with tropical convective activity on the same time scale with a phase difference of 10-20 days. The SSTs are above normal to the east of the eastward-propagating 30-60 day mode disturbances. An air-sea feedback system appears to be rather significant for the 30-60 day oscillation. It was also found that the air-sea coupling, with a phase difference on the 30-60 day time scale, was weak over the tropical western Pacific during the northern summer of 1981, the year preceding the ENSO event of 1982/83.
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