日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
21 巻, 2 号
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  • 麻植 有希子, 神山 佐奈美, 百瀬 由香梨, 山田 絵里加, 上地 美恵, 合田 敏尚
    2022 年 21 巻 2 号 p. 1-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/26
    ジャーナル オープンアクセス
    目的: 日本の超高齢社会において、低栄養の危険性がある地域高齢者に対する栄養のバランスが整った配食 サービスは不可欠である。本研究では、W 社の管理栄養士が高齢者の健康に配慮して献立設計した商品の配食 サービスを利用している65 歳以上の地域高齢者1,107 名(男性605 名、女性502 名)を対象に健康・栄養調査 を行い、低栄養と関連する要因の検討を行った。 方法:Mini Nutritional Assessment-Short Form (MNA®-SF)および口腔機能、主観的健康感、外出頻度など の健康・栄養状態に関する質問票を使用して、神奈川県および静岡県の4都市に在住する対象者の健康と栄養 状態のアセスメントを行った。 結果:対象者の主な年齢層は80 歳以上(男性46%、女性57%)であり、男性14%、女性24% が要介護認定を 受けていた。MNA®-SF により、男性の42%、女性の53%が「低栄養のおそれあり」または「低栄養」である と判定された。BMI が20 kg/㎡未満の中・高リスク者は、男性では21%、女性では36%であった。MNA®-SF で評価された栄養スコア得点は、男性では配食サービス利用期間と有意に関連しており、男女ともに、「汁物 のむせ」がないこと、「口の渇き」がないこと、「奥歯で噛める」こと、「体調」、「外出の頻度」と有意に関連 していた。 結論:健康と栄養状態のアセスメントは、フレイルや低栄養を予防するために配食サービスを必要としている 地域高齢者の個々のニーズを特定するために有用である。 キーワード:地域高齢者、配食サービス、低栄養、口腔機能、フレイル
  • 特養と老健の課題
    岡本 節子, 古明地 夕佳, 髙田 健人, 長瀬 香織, 苅部 康子, 堤 亮介, 谷中 景子, 長谷川 未帆子, 榎 裕美, 大原 里子, ...
    2022 年 21 巻 2 号 p. 10-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/26
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:令和3 年度介護報酬改定の6 か月後の介護老人福祉施設(特養)及び介護老人保健施設(老健)における栄養ケア・マネジメント(NCM)を担う常勤管理栄養士の業務時間調査から、NCM の課題を整理し、検討することを目的とした。 方法:介護保険施設220 施設の常勤管理栄養士を対象に、3 日間の10 分間ワークサンプリング方式の自記式業務時間調査票を令和3 年9 月に依頼をした。 結果:有効回答は特養34 施設の管理栄養士44 人、老健17 施設の管理栄養士27 人であった。1 施設あたりの平均常勤管理栄養士数は特養1.4 人、老健2.0 人となっていた。特養及び老健常勤管理栄養士の一日一人当たりの業務時間において『NCM に関する業務』が最上位の業務として位置づけられ、『給食に関する業務』は上位の2 割程度であった。 結論:管理栄養士の業務は従来の給食からNCM へと大きく転換していた キーワード:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、栄養ケア・マネジメント、業務時間調査、給食
  • 2021年度施設実態調査
    髙田 健人, 遠又 靖丈, 長谷川 未帆子, 岡本 節子, 古明地 夕佳, 苅部 康子, 谷中 景子, 堤 亮介, 榎 裕美, 大原 里子, ...
    2022 年 21 巻 2 号 p. 22-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/26
    ジャーナル オープンアクセス
    目的: 2021 年介護保険制度改正から半年後の介護老人福祉施設(以下、特養)および介護老人保健施設(以下、老健)における栄養ケア・マネジメント(以下、NCM)の実態を明らかにすることとした。 方法:2021 年9 月に特養1,928 施設と老健1,126 施設にID コード化した質問票を郵送し、対象施設の常勤管理 栄養士が回答した。 結果:特養356 施設、老健200 施設を分析対象とした(回収率18.2%)。入所者100 人あたりの低栄養リスク者数の平均は特養が57.1 人(SD19.3 人),老健が56.3 人(SD19.1 人)であった。特養の26.7%、老健の31.5%には、少なくとも2 名の常勤の管理栄養士(RD)がいた。特養の43.0%、老健の45.5%が「栄養マネジメント強化算定」を算定していた。栄養マネジメント強化加算を算定していない理由として、「管理栄養士数の基準を満たしていない」ことが最も多く挙げられていた。加算算定において困難な点としては、「科学的介護情報システム(LIFE)に伴う管理栄養士の事務作業の増加」が最も多く挙げられていた。 結論:特養、老健におけるNCM の強化は全国に広がりつつあったが、人材確保、多職種連携の推進、業務の効率化がさらに求められた。 キーワード:栄養ケア・マネジメント(NCM),介護老人福祉施設(NH),介護老人保健施設(HF),2021 年介護保険制度改正,低栄養
  • 唐司 ユカ, 和田 涼子
    2022 年 21 巻 2 号 p. 34-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/26
    ジャーナル オープンアクセス
    目的: 「高齢者会食サービス」を行っている高齢者施設で、このサービスを利用する在宅高齢者に実態調査と栄養教育を行い、低栄養予防のための課題やニーズを検討した。 方法:1 回目調査は2020 年1 月から2 月に行った。対象者は27 人である。概況調査、食習慣調査(BDHQ)、簡易栄養状態評価表(MNA-SF)による調査と身体測定を行った。1か月後にその結果を調査対象者に報告し、低栄養に関する栄養教育とアンケートを実施した。2 回目調査は2020 年9 月と10 月に実施した。 結果: 対象者の70% が高齢者のみの世帯であった。1回目調査結果では、女性の64 % に「低栄養」あるいは「低栄養のリスク」があった。栄養教育後のアンケート結果から低栄養についての理解と食事の改善の意欲がうかがえた。約8 か月後に実施した2回目調査の時点では、栄養状態に有意な変化は見られなかったが、女性対象者では下腿周囲長の減少がみられた。 男性対象者では、栄養教育と栄養評価によって、自己効力感が有意に向上した。 キーワード:高齢者、会食サービス、低栄養、栄養評価、栄養教育
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