Journal of Neuroendovascular Therapy
Online ISSN : 2186-2494
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ISSN-L : 1882-4072
8 巻, 4 号
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原著
  • Toshinori MATSUZAKI, Tadashi SHIBUYA, Takehiko UMEZAWA
    2014 年 8 巻 4 号 p. 193-197
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    Objectives: The transradial approach for diagnostic cerebral angiography is feasible, safe, and commonly used. To prevent neurological complications, unfractionated heparin (UFH) is often administered. However, the appropriate dose and administration method have not been established yet. In addition, factors that attenuate UFH efficacy during the procedure have not been examined. We determined the effect of intravenous bolus UFH administration on clot formation within arterial sheaths and the risk factors for clot formation during transradial diagnostic cerebral angiography.
    Methods: We retrospectively reviewed 50 patients who underwent diagnostic transradial cerebral angiography with UFH between January 2012 and October 2013. The patients were divided into the clot and no-clot groups on the basis of clot formation in the sheath after the procedure. The patient characteristics, past medical history, reason for undertaking the procedure, dose of UFH, activated clotting time (ACT), neurological complications, and laboratory results were analyzed.
    Results: Clots occurred in 60% of the patients, with no symptomatic ischemic events. About 2,000 units of UFH were intravenously administered after sheath placement. In both groups, ACT increased significantly after UFH administration, but the elevation ratio was higher in the no-clot group. White blood cell (WBC) counts and serum total protein were significantly higher in the clot group. WBC counts above the reference range increased the risk of clot detection (risk ratio, 1.77, 95% confidence interval, 1.24–2.54).
    Conclusion: Elevated WBC count may predict UFH insensitivity and be a risk factor for thromboembolic complications during transradial cerebral angiography with intravenous administration of 2,000 units of UFH.
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症例報告
  • 平山 勝久, 増尾 修, 八子 理恵, 松本 博之, 中尾 直之
    2014 年 8 巻 4 号 p. 201-206
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する顔面静脈経由のコイル塞栓においてtriple coaxial catheter system が有用であった1 例を報告する.【症例】50 歳女性.左海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を認め,主な流出経路は左上眼静脈であり,左顔面静脈から左内頚静脈にドレナージしていた.経大腿静脈的にtriple coaxial catheter system を用いて顔面静脈を介したコイル塞栓を行い,シャントは消失した.【結論】この経路は長く蛇行が強いが,triple coaxial catheter system は十分な長さとガイディングカテーテルのサポートがあり有用であった.
  • 溝上 達也, 木矢 克造, 籬 拓郎, 迫口 哲彦, 近藤 浩, 三好 浩之
    2014 年 8 巻 4 号 p. 207-212
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】前大脳動脈A1(horizontal portion)部窓形成及び,副中大脳動脈に関連した破裂脳動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した1 例を報告した.【症例】くも膜下出血で発症した43 歳の男性.脳血管撮影にて左前大脳動脈A1 部窓形成とその間に動脈瘤が認められ,A1 部窓形成の末梢部から副中大脳動脈も確認された.脳血管撮影に連続しコイル塞栓術を施行し良好な転帰が得られた.【結論】前大脳動脈A1 部窓形成及び副中大脳動脈が合併し,これらに起因された極めて稀な破裂前大脳動脈A1 部動脈瘤を経験した.治療としてコイル塞栓術は有用な手段であると考えられた.
  • 渡辺 大介, 橋本 孝朗, 岡田 博史, 田中 悠二郎, 一桝 倫生, 加藤 大地, 河野 道宏
    2014 年 8 巻 4 号 p. 213-217
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】我々は瘤形成を呈した特発性総頚動脈解離に対してステント併用コイル塞栓術を施行し,良好な結果を得た1 例を経験したので報告する.【症例】68 歳男性.左頚部痛を主訴に受診し3DCTA にて総頚動脈解離と診断した.経過観察中に瘤様変化を認めた.動脈瘤は体表からも拍動性腫瘤として観察できた.ステント併用下コイル塞栓術を行い拍動性腫瘤は消退した.その後2 年間の経過観察を行っているが再発を認めていない.【結論】解離性総頚動脈には保存的治療が第一選択であるが,動脈瘤形成変化を来す場合があり,追跡画像検査が必要である.瘤形成を生じた場合には自然治癒が期待しにくいために外科的治療が考慮される.ステントを併用するコイル塞栓術は母血管も温存される低侵襲であり,治療選択の一つとして検討すべきと考えられた.
  • 和田 敬, 高山 勝年, 田岡 俊昭, 中川 裕之, 明珍 薫, 木村 僚太, 黒川 紳一郎, 吉川 公彦
    2014 年 8 巻 4 号 p. 218-223
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】紡錘状動脈瘤に対するコイル塞栓術は,通常親血管と動脈瘤を分離できない場合が多いため,親血管を温存した瘤内塞栓術は難しい.ステントを併用したコイル塞栓術で,親血管の内腔を短軸像で確認できる“down-the-barrel view(DBV)”が取れれば,親血管を温存した瘤内塞栓術が可能であったとの報告例がある.紡錘状動脈瘤に対してステントを併用したコイル塞栓術でDBV による追加ステント留置術で親血管を温存して瘤内塞栓術が可能であった1 例を経験したので報告する.【症例】60 歳女性.約1 年前に右椎骨動脈紡錘状動脈瘤を指摘され外来で経過観察されていたが瘤の増大が認められたため,Enterprise stent(EP)を用いたコイル塞栓術を施行した.最初にマイクロカテーテルを瘤内に挿入し,動脈瘤を十分覆うようにEP を留置した後,瘤内塞栓術を施行した.術中親血管へコイルが逸脱しているかどうかの判断が困難となったため,DBV で造影したところステント内腔にコイルの逸脱が認められた.そのためstent-in-stent で新たにEP を追加留置したところ,EP 内のコイル逸脱は消失した.術後合併症は認められなかった.3 カ月後の血管造影で動脈瘤の完全閉塞が認められ,親血管は開存していた.【結論】紡錘状動脈瘤に対するステント併用コイル塞栓術において,DBV による追加ステント留置を行うことで良好な治療効果が得られる例があることが示唆された.
  • 石原 秀章, 石原 正一郎, 新美 淳, 根木 宏明, 掛樋 善明, 上宮 奈穂子, 神山 信也, 山根 文孝, 鈴木 智成, 安達 淳一, ...
    2014 年 8 巻 4 号 p. 224-230
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】N-butyl cyanoacrylate(NBCA)を用いた髄膜腫塞栓術後に,浮腫増悪や腫瘍内出血を来した3 例を経験したので報告する.【症例】症例1:36 歳男性は傍矢状洞部髄膜腫,症例2:83 歳女性と症例3:63 歳女性は円蓋部髄膜腫であった.いずれも大きな腫瘍であり,腫瘍内動静脈シャントを伴う著明な腫瘍濃染像を認めた.NBCA を用いた開頭術前の中硬膜動脈塞栓術を施行したところ,流出路閉塞を起こし,腫瘍周囲の浮腫増悪や腫瘍内出血を来した.頭痛や,片麻痺増悪を認めたが,点滴治療により軽快し,3 例とも緊急手術は要さなかった.【結論】動静脈シャントを伴う脳腫瘍に対する液体塞栓術においては,流出路閉塞にならぬようにNBCA の注入速度や濃度に注意する必要がある.
  • 山口 将, 堀江 信貴, 林 健太郎, 出端 亜由美, 福田 修志, 諸藤 陽一, 日宇 健, 出雲 剛, 松尾 孝之, 永田 泉
    2014 年 8 巻 4 号 p. 231-237
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】我々は頚部内頚動脈高度狭窄に起因する頭蓋内内頚動脈閉塞(tandem occlusion)を来した急性期脳梗塞症例を経験したため報告する.【症例】59 歳女性.右片麻痺と失語を主訴に発症から2 時間で救急搬送された.頭部MRIでclinical-diffusion-weighted image mismatch を認める左内頚動脈閉塞を認め,血管内治療を行った.頚部左内頚動脈高度狭窄の合併を認め,頚動脈ステント留置後に頭蓋内再開通療法を計画した.ステント留置後にpenumbra systemを使用し,発症より7 時間40 分で有効再開通が得られ,症状は改善した.【結論】頚部内頚動脈高度狭窄と頭蓋内内頚動脈閉塞症に対してcarotid artery stenting(CAS)とthrombectomy を行い,良好な治療経過を得た.頚動脈狭窄に起因した頭蓋内主要血管閉塞症に対してemergent CAS とthrombectomy は有用である.
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