Journal of Neuroendovascular Therapy
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9 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著
  • 田中 敏樹, 金子 雅春, 渡辺 一良
    2015 年 9 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/06/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】頚動脈ステント留置術(CAS)において,同一の手術手技,同一のステントを用いて治療し,その長期成績を調べた.【対象と方法】2007 年10 月より2012 年7 月までに当施設で,同一術者が,頚部頚動脈狭窄27 病変に対して,distal balloon protection 下に,同一のステント(Precise 10 mm×4 cm)を用いてCAS を施行した.そのうち24 病変に対して2 年以上の長期フォローを行った.【結果】1 例で術中にステント留置側の脳梗塞が生じ神経学的脱落症状を残したが,他には術後フォロー期間中にステント留置側の脳卒中の発生はなかった.1 例に術後2 年でステント留置部の無症候性再狭窄をきたし,再度CAS を施行した.【結論】症例経験が少ない術者,施設であっても,手術手技を統一して行うことにより,標準的な長期成績を達成できた.
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症例報告
  • 祖母井 龍, 須山 武裕, 下里 倫, 松田 康, 富永 良子, 村上 昌宏, 乾 敏彦, 山里 景祥, 北野 昌彦, 長谷川 洋, 富永 ...
    2015 年 9 巻 3 号 p. 138-144
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】rt-PA 静注療法無効例の内頚動脈閉塞による急性期脳梗塞に対しPenumbra system による血行再建と頚動脈ステントの併用により良好な経過を得た2 症例を経験したので報告する.【症例1】72 歳男性.左片麻痺を主訴に当院に搬送された.脳血管撮影の所見から,右内頚動脈起始部高度狭窄に由来するアテローム血栓性塞栓により内頚動脈閉塞に至った脳梗塞と診断し,まず内頚動脈の血栓をPenumbra system で回収した.遠位塞栓をきたすことなく,tandem lesion を認めなかったため,distal protection 下に頚動脈ステントを留置することにより再開通を得た.症状は著明に改善しmRS0 で退院した.【症例2】73 歳男性.左片麻痺を主訴に当院に搬送された.アテローム血栓性の頚部内頚動脈閉塞に対し同様の治療により再開通を得て,3 カ月後mRS0 となった.【結論】アテローム血栓性の急性内頚動脈閉塞に対する血行再建術において,Penumbra system による血栓吸引を先行することで遠位塞栓を予防することができ,引き続いて頚動脈ステント留置術を行うことで良好な経過が得られる可能性が示唆された.
  • 錦古里 武志, 渡辺 賢一, 大多和 賢登, 安藤 遼, 有馬 徹
    2015 年 9 巻 3 号 p. 145-149
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/04/27
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】Adamkiewicz 動脈(AKA)と同一のsegmental artery から描出される胸腰髄硬膜動静脈瘻に対して経動脈的塞栓術を施行した一例を報告する.【症例】進行する下肢症状を呈する74 歳の女性.MRI にて胸腰髄に脊髄浮腫を認め,脊髄血管撮影にて左第1 腰動脈から硬膜動静脈瘻とAKA が共に描出された.Feeder のみの十分な超選択が可能であったため,n-butyl-cyanoacrylate による経動脈的塞栓を行い,シャントの完全消失が得られた.【結語】AKA と同一のsegmental artery から描出される胸腰髄硬膜動静脈瘻においては,限定的な解剖学的条件においてのみ,経動脈的塞栓術を考慮してもよい.
  • 渡邊 陽祐, 武智 昭彦, 梶原 佳則, 瀬山 剛
    2015 年 9 巻 3 号 p. 150-155
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/05/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】Flow diverter 効果を目的に2 本の頭蓋内ステントを併用し瘤内塞栓を行った症例を報告する.【症例】51 歳女性.眼瞼下垂を生じ,右内頚動脈C4 部より内方に突出する長径16 mm の血栓化脳動脈瘤を認めた.Jailing technique を用い,まず2 本のEnterprise VRD をneck 部分に重ねて留置すると,DSA にて動脈瘤の描出が遅延し,flow diverter 効果を認めた.続いて瘤内を塞栓し,描出はほぼ消失した.術後良好に推移し,動眼神経麻痺は完全消失した.【結論】血栓化動脈瘤に対する複数本のステント併用下の塞栓術は,選択肢のひとつとなり得る治療法であると考えられた.
  • 清水 信行, 鈴木 謙介, 井上 佑樹, 鈴木 亮太郎, 高野 一成, 永石 雅也, 田中 喜展, 兵頭 明夫
    2015 年 9 巻 3 号 p. 156-162
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/06/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】大動脈炎症候群に対する急性期血行再建術の報告はない.今回,急性期脳梗塞を呈したため再開通を行い,良好な結果を得たので,文献的考察を加え報告する.【症例】症例は49 歳の女性.10 年前に大動脈炎症候群と診断され,また右総頚動脈閉塞が指摘されていた.今回,右麻痺,意識障害をきたし救急搬送された.左総頚動脈高度狭窄,左頭蓋内内頚動脈の閉塞を認めたため,Penumbra aspiration catheter(メディコスヒラタ,大阪)を用いたADAPT 法で閉塞血管を再開通させ,その後に左総頚動脈狭窄部にステントを留置した.神経脱落症状は改善し,独歩退院した.【結論】急性期脳梗塞を呈した大動脈炎症候群に対して急性期血行再建術を行い,良好な結果を得たので報告した.
  • 芳村 雅隆, 廣田 晋, 寺門 利継, タンマモングット ティプアーパー, 伊藤 なつみ, 山本 信二
    2015 年 9 巻 3 号 p. 163-169
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/06/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】Triaxial system により経動脈的塞栓術を行った腰部spinal ventral epidural arteriovenous fistula 症例を報告する.【症例】78 歳男性.緩徐進行性の下肢対麻痺,膀胱直腸障害で発症した.第3 腰椎左腹側硬膜外静脈叢への動静脈shunt による鬱血性脊髄障害であった.Feeder は左右第3 腰動脈から分岐するdorsal somatic branch で,shunt 存在部位と対側の血流が優位であった.Triaxial system で右第3 腰動脈からretrocorporeal anastomosis を介した塞栓術を施行し,shunt の完全閉塞を得た.【結論】脊髄症例においてもtriaxial system により,マイクロカテーテルを安全,確実に目的部位に到達させ,有効な治療を行うことが可能である.
テクニカルノート
  • 宮本 倫行, 伊師 雪友, 安喰 稔, 安田 宏, 牛越 聡
    2015 年 9 巻 3 号 p. 170-174
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    [早期公開] 公開日: 2015/06/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】急性期血行再建において,時にアクセス困難により目的血管に到達できない症例が存在する.病態救急疾患であることを考えるとアクセス困難の際には手技の中止を検討しても良いかもしれないが,一方で総頚動脈直接穿刺を用いることによりアプローチ可能な症例も存在する.【症例】90 歳,男性.左不全麻痺を当院外来で発症した.脳MRI にて右中大脳動脈完全閉塞による急性期脳梗塞と診断した.rt-PA 静注療法後に症状の改善を認めなかったため,血管内治療を施行した.大腿動脈よりアクセスしたが,右腕頭動脈の解剖学的条件から右内頚動脈に誘導困難と判断し,総頚動脈直接穿刺を施行.ステント型血栓回収デバイスによりTICI2b の再開通が得られた.【結語】急性期血行再建において鼠径部を含めたアプローチ困難症例において,総頚動脈直接穿刺法を用いることにより治療可能な症例も存在する.
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