The Journal of Nursing Investigation
Online ISSN : 2434-2238
Print ISSN : 1348-3722
17 巻, 1 号
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  • 橋本 理恵子, 今井 芳枝
    原稿種別: 原著
    2019 年 17 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー

    要 旨 本研究の目的は,がん患者の就労に関する研究の動向とともに就労状況における特徴を明らかにし,医療職者の立場からがん患者の就労に対する支援体制の方向性を検討していくことである.文献は,医学中央雑誌Web版(Ver.5)を用いて,「がん」and「就労」,「がん」and「就労支援」,「がん」and「仕事」をキーワードに原著論文に限定し文献検索を行った.がん患者を対象とした就労に関連する文献に限定し,小児がん患者・小児がん経験者を対象とした論文,医療職者が対象である論文,症例報告については除外し,25論文を分析対象とした.がん患者の就労状況の実態,がん患者の就労継続を左右する要因について着目し整理した.結果,がん患者の就労状況の特徴として,がんの診断から治療開始前までの早い時期に離職する傾向にあった.がん患者の就労継続を左右する要因として,【身体調整】【情報獲得】【就労への価値】【支援体制】【職場の配慮】【経済状況】が明らかになった.医療職者は,社会の動向や施策,就労の場で行われている取り組みを理解し,患者の治療と就労の調整役として,就労継続を左右する要因である【身体調整】【情報獲得】【就労への価値】【支援体制】【職場の配慮】【経済状況】の6視点を持ち,離職が多い診断時から支援する介入プログラムを構築する必要性が示唆された.

  • 橋本 理恵子, 鈴木 志津枝
    原稿種別: 原著
    2019 年 17 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,がんの再発・転移の告知を受け外来で化学療法を受けるがん患者とその家族がどのような気がかりを抱えているのかについて,患者と家族,双方の視点から明らかにすることである.外来で化学療法を受けているがん患者10名とその家族12名に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.結果,がん患者の気がかりは【副作用によるさまざまな影響】【がん治療が難しくなっていく】【家族にかける負担の大きさ】【がんの再発・転移を抱える恐れ】【心身のつらさが家族に伝わらない】の5カテゴリー,家族の気がかりは,【副作用に煩わされている患者のつらさの察知】【がん治療の先行きが見えない】【患者の闘病を支える責任の重さ】【患者の再発・転移による苦悩】【患者へのかかわり方がわからない】の5カテゴリーが抽出された.看護師は,がんの再発・転移を抱え療養しているがん患者と家族が多くの気がかりを抱え,それに対応しながら療養生活を送っていることを理解する.患者と家族の気持ちの根底には,がんという不確かな存在がありお互いの気持ちにずれが生じやすいことを踏まえ,患者や家族の価値観を尊重しながら,タイムリーに支援できるよう,診断早期から患者と家族の状況を把握していくことが大切である.

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