本研究は,放飼条件下での薩摩黒鴨に対する自給飼料(カツオ節だし残渣,屑米および生米ヌカ)の給与が産肉性と産卵性,さらには肉と卵黄中のDHA含量に及ぼす影響を調査した.
1週齢の薩摩黒鴨12羽(♂4:♀8)を市販採卵鶏用配合飼料(ME 2,800kcal/kg, CP 15.2%:以下,市販飼料)のみを給与した対照区とカツオ節だし残渣,屑米および生米ヌカを40:40:20の割合で配合した飼料(CP 26.9%)を給与した試験区に2区分した.試験期間中(1~15週齢)の飼料要求率は対照区で5.4,試験区で4.9を示した.15週齢における体重と解体成績には,両区間で差がみられなかった.対照区のムネ肉ではDHAが検出されなかったのに対し,試験区では100g当たり294mgのDHAが検出された.
26週齢の薩摩黒鴨26羽(♂6:♀20)を上記と同じ市販飼料のみを給与した対照区とカツオ節だし残渣,屑米,生米ヌカおよびカキ殻を50:30:10:10の割合で配合した飼料(CP 29.7%)を給与した試験区に2区分した.試験期間中(26~51週齢)の飼料要求率は対照区で3.4,試験区で3.1を示し,卵重は試験区で有意に大きかった(P<0.01).産卵率は対照区で80.3%,試験区で83.6%を示し,両区間で有意差が認められた(P<0.01).孵化率については,両区間で差がみられなかった.卵黄中のDHA含量は対照区に比べ,試験区で有意に高い値を示した(P<0.01).
以上より,カツオ節だし残渣に屑米と生米ヌカを配合した自給飼料の給与は薩摩黒鴨の生産性を低下させることなく,その生産物の品質を向上させる可能性が示された.
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