有機農業研究
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最新号
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【巻頭言】
【特集】第25回大会 全体セッション
  • 小口 広太
    2025 年17 巻1 号 p. 5-10
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー
  • 関根 佳恵
    2025 年17 巻1 号 p. 11-19
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー

    欧米が農業の環境負荷を削減する新政策を示したことを受けて,日本はみどりの食料システム戦略を策定し,「改正」食料・農業・農村基本法(以下,「改正」基本法)を施行した.国際動向に照らし,日本の有機農業にとって一連の新政策にはどのような課題があるだろうか.また,どのように今後の有機農業を展望できるだろうか.本稿は,一連の新政策を分析して有機農業の位置づけと課題を示し,欧米や国連の農政や議論の動向を参照し,日本への示唆を得ることを課題とする.本稿は,各国・地域の法制度と文献のレビュー,日欧米の農政関係者へのインタビューに基づいている.結論として,日本の一連の政策が農業近代化・新自由主義路線を継承していること,「改正」基本法には有機農業への言及がなく,地域政策の抜本的な見直しもなかったこと,政策間の整合性に課題があること,および「改正」基本法が国の安全保障政策の一環として位置づけられていることを指摘し,地域社会の持続的な発展をともなう有機農業の拡大は困難との見方を示す.展望として,欧米や国連が提唱するアグロエコロジー推進,小規模・家族農業支援,農村政策と有機農業推進の一体化,社会保障と農政の連携,地方自治による民主的な食料システムへの転換,貿易自由化の見直し,および隠れた費用の見える化等による市場経済システムの転換に学ぶことを提案する.これにより,日本でも食を商品ではなく権利やコモンとして再定義できるだろう.

  • 三木 孝昭
    2025 年17 巻1 号 p. 20-25
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー

    As demand for organic agricultural products continues to rise, the labor required for weeding and the production costs of organic rice cultivation have become disproportionate to agricultural management. Consequently, the development and dissemination of technologies for stable production are becoming increasingly essential. Organic cultivation is not merely a collection of individual technologies; rather, it seeks to stabilize production by systematically integrating technologies in a coherent and interconnected manner to create optimal paddy field conditions. This systematization is necessary to align technologies with the specific climate, environment, and soil characteristics of each region. To effectively disseminate organic agriculture, it is desirable for producers and researchers to engage in intellectual exchange and verification, thereby deepening the understanding of factors contributing to successful outcomes. In promoting organic agriculture, it is preferable to move beyond the dichotomy between conventional and organic methods, recognize their shared technical intersections, and collaborate toward sustainable regional development. Disseminating organic agriculture through collaboration between producers and researchers offers an opportunity to enhance regional sustainability through the accumulation of these efforts.

  • 小林 温
    2025 年17 巻1 号 p. 26-28
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー
  • 田島 友里子
    2025 年17 巻1 号 p. 29-32
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー
  • 靍 理恵子
    2025 年17 巻1 号 p. 33-35
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー
【論文】
  • 土屋 憧真
    2025 年17 巻1 号 p. 36-45
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー

    たくさんのいきものが育まれる持続可能な農業に移行する必要性は言を俟たないが,その具体的な施策は五里霧中である.この課題に対し,テクノロジーで解決するという技術楽観主義が登場しているが,農業者にとってどのようなインパクトがあるのか未知であり,農業技術の開発およびその普及に際し,農業者の技術的主体性という観点からの研究が必要である.そこで本研究では,「農業ID」という分析視角を用いた.これは,農業者の思想や価値基準,技術(不)選択,行動実践の再帰性に着目した概念であり,農業者による農業活動の自己認識に加え,具体的な農地に埋め込まれた行為実践の双方の再帰性について統合的に見た分析視角である.この視角により,無肥料・不耕起を実践している自然栽培農業者を分析した結果,自然環境・思想・宗教・科学・労働・身体・経験といった,多元的要素から包括的に固有の農業IDが形成されており,宗教思想や科学的理解という認識レベルに加えて,身体と農地との相互行為という実践によって,思考や行為が再帰的に形成されることがわかった.そして,無施肥や不耕起で草生栽培をしている農地は,実践行為だけでなく視覚的な観点から,他の農業(者)とは異なるという差異化原理がみられた.農業IDは,農業者の性格ともいうべき唯一無二の人間的要素という特殊性と,個別の農地環境との相互作用の中で再帰的に形成されるという普遍性を備えている.

【技術論文】
  • 松本 若菜, 荒武 暁子, 上埜 喜八, 湯治 準一郎, 松添 直隆, 髙山 耕二
    2025 年17 巻1 号 p. 46-51
    発行日: 2025/07/22
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル フリー

    本研究では,水田での球体ロボットの除草効果に関する基礎的知見を得ることを目的とし,小面積の水田で小型球体ロボットを稼働させ,生物的除草法の1つと知られるアイガモ農法との比較からその除草能力を評価した.試験は2024年6月〜同年8月にかけて300m2の水田で行われた.田植え後7日目に7日齢のアイガモ雛3羽を放飼したアイガモ区(110m2)と直径25cmの球体ロボット2台を稼働させたロボット区(70m2)を設けた.供試した水田には,コナギの発芽が多くみられた.処理1回目(田植え後7〜20日目)では,球体ロボットの稼働により田面水が濁るとともに,水面に多数のコナギが浮き上がる様子が観察された.排水口で回収されたコナギの本数は,アイガモ区に比べてロボット区で多い傾向がみられた.しかしながら,処理2回目(田植え後43〜57日目)では,水稲の生育が進んだことで球体ロボットの動作が阻害され,田面水の濁りがほとんどみられず,除去される雑草の数も減少した.試験終了時(8/21)の雑草発生については,両区ともプロテクトケージ内側に比べて外側で有意に少なく(P<0.05),ロボット区では,アイガモ同様に除草効果が認められた.なお,両区で欠株の発生は認められなかった.

    以上より,球体ロボットは水稲生育初期に顕著な除草効果を示すことが明らかになった.

【書評】
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