目的:日本人尋常性乾癬患者における活性型ビタミンD
3/ステロイド配合外用薬(配合外用薬)の有効性を検討する.
方法:尋常性乾癬患者を配合外用薬(1日1回塗布)群,カルシポトリオール外用薬(1日2回塗布)群,ベタメタゾンジプロピオン酸エステル外用薬(1日1回塗布)群に無作為に分け,4週間塗布した3群並行二重盲検比較試験のサブ解析を行い,配合外用薬の有効性をさらに探索した.配合外用薬の改善効果発揮時期を医師および患者の評価から検討するとともに,治療効果に影響を及ぼす可能性がある要因について検討した.
結果:医師による評価(m-PASI変化率,標的病変における複合重症度スコア,疾患重症度の全般評価)および患者評価(疾患重症度の全般評価)のいずれの評価においても,配合外用薬は1週後からカルシポトリオール外用薬またはベタメタゾンジプロピオン酸エステル外用薬よりも改善を示し,さらに4週後においても着実に同様な高い改善効果を示した.改善効果に及ぼす影響の検討では,肥満者(BMI≧30)において配合外用薬の効果に若干の低下が認められたが,ベタメタゾンジプロピオン酸エステル外用薬の効果減弱に比べると改善効果への影響は小さいと考えられた.その他要因の検討では配合外用薬の効果発現への影響は認められなかった.
結論:配合外用薬は1日1回塗布で尋常性乾癬患者の皮膚症状を塗布1週後から速やかに改善し,その優れた治療効果は患者要因に左右されることなく発揮されると考えられた.
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