日本臨床皮膚科医会雑誌
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33 巻 , 3 号
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論文
  • 渡辺 大輔, 吉田 寿雄, 新郷 敏彦, 竹田 遥, 中村 圭吾, 可児 毅, 舛永 安繋
    2016 年 33 巻 3 号 p. 372-382
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/07/15
    ジャーナル フリー
     カポジ水痘様発疹症(KVE)に対する抗ヘルペスウイルス薬の有効性,安全性を前向きに検討した報告は少ない.本調査では,過去にファムシクロビル(FCV)投与歴のないKVE患者の有効性(解析対象症例114例)と安全性(解析対象症例131例)を検討した.FCV投与開始から投与終了後3週間(21日目)を目安として全般改善度,副作用発現頻度を評価したところ,有効性解析対象症例において,全般改善度が「著明改善」あるいは「改善」と判定された症例の割合(改善率)は96.5%であり,「悪化」と判定された症例はなかった.完全痂皮化するまでの日数の50%点は7日,治癒するまでの日数の50%点は8日であった.また,安全性解析対象症例における副作用発現頻度は0.8%であった.これらの結果から,KVE患者に対するFCVの有効性および安全性が確認された.さらにKVE重症度別の治癒日数や,基礎疾患として最も多いアトピー性皮膚炎の重症度および治療内容と皮疹改善との関連についても解析したので報告する.
  • 服部 舞子, 金澤 伸雄
    2016 年 33 巻 3 号 p. 383-388
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/07/15
    ジャーナル フリー
     疥癬集団発生の2事例を経験した.事例1では老人保健施設より持ち込まれた角化型疥癬からの院内感染により,入院患者12名と看護師2名が感染した.発端者の角化型疥癬患者は前医にて天疱瘡と診断,治療されていたために正確な診断が遅れ,院内集団発生の終息までに約2か月を要した.発端者は6回の内服治療後も検鏡陰性とならずに死亡した.また発端者が入院前に入所していた老人保健施設においても7名の疥癬患者が確認された.事例2では児童養護施設における集団感染により,小学生から成人までの入所者20名,施設職員の家族2名と隣接する児童福祉施設の入所者1名が感染した.感染者はいずれも内科的基礎疾患を認めず,多くは前医にてアトピー性皮膚炎として診断,治療されていた.いずれもステロイド薬の内服が感染拡大のきっかけとなっており,正しい早期診断の重要性を再認識させる教訓的な事例であった.
  • 福田 理紗, 臼田 慎, 莇生田 整治, 舩越 建
    2016 年 33 巻 3 号 p. 389-393
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/07/15
    ジャーナル フリー
    66歳男.5年程前から左前頭部に腫瘤を自覚していた.2013年より,右舌癌化学療法後のPET-CTにて左前頭部皮下にfluorodeoxyglucose(以下,FDG)の軽度取り込みを認めており,2015年5月のPET-CTにてstandardized uptake valueの上昇を認めた.皮膚生検施行されたが,組織型が舌癌の扁平上皮癌とは異なるため,皮膚原発の腫瘍として当科に紹介された.病理組織学的に真皮から皮下組織,帽状腱膜にかけて好塩基性の腫瘍細胞が大小の管腔構造,篩状構造の集簇を形成しており,神経周囲への浸潤を認めた.以上の所見より,primary cutaneous adenoid cystic carcinomaと診断した.術後5か月経過し,再発所見を認めていない.本疾患は神経周囲に浸潤することが多く,局所再発をきたしやすいため,広範囲切除や長期間の経過観察を要する.
  • 飛田 泰斗史, 田蒔 舞子, 武市 幸子, 浦野 芳夫, 宇都宮 正裕
    2016 年 33 巻 3 号 p. 394-396
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/07/15
    ジャーナル フリー
     46歳男.初診3年前より顔面,四肢に皮疹が出没していた.瘙痒はあまり強くなかった.右前腕の紅斑の辺縁に小水疱が散在していた.組織学的に真皮乳頭部に好中球性微小膿瘍を蛍光抗体直接法にて真皮乳頭部にIgAの顆粒状の沈着を認めた.以上より,ジューリング疱疹状皮膚炎と診断した.治療はステロイド外用剤のみで軽快した.本症の軽症例では,ステロイド外用剤のみで軽快する例もあるが,その多くは慢性の経過をとる.本症例でも今後,DDSの投与が必要かもしれない.慢性再発性に経過する紅斑で,小水疱を認めた時には,ジューリング疱疹状皮膚炎も鑑別に挙げる必要がある.
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