日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
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ISSN-L : 1349-7758
34 巻 , 4 号
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論文
  • 福田 英嗣, 髙橋 美咲, 向井 秀樹
    2017 年 34 巻 4 号 p. 456-461
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/26
    ジャーナル フリー
     近年,患者の「Quality of Life(QOL)」評価の重要性が認識されつつある.アトピー性皮膚炎 (Atopic dermatitis:AD)患者では強い痒みや容姿差別などあり,これらによりQOLが低下している.今回われわれは,当科で入院加療を行ったAD患者におけるQOL評価を行った.入院時に施行したDermatology Life Quality Index(DLQI)によるQOL評価では全ての項目でスコアが高く,入院療法で退院時にはこれら全てが有意に低下した.また,日本皮膚科学会AD重症度分類及び痒みのVisual analogue scale値,血中病勢マーカーである血清thymus and activation-regulated chemokine(TARC)値,血清lactate dehydrogenaseは,入院前後で有意に低下した.また,DLQIスコアと血清TARC値の相関関係は,入院時全ての項目で正の相関があり,重症度の高いADほどQOLが障害されていることを意味していた.一方,退院時のDLQIスコアと血清TARC値は多くの項目で相関関係がなかったが,その理由として退院時には皮膚表面の症状が軽快しているためDLQIスコアは低下しQOLは向上しているが,血清TARC値が高値で推移している症例が含まれるためと推察した.  ADの多くはQOLが障害されているため,治療の際には皮膚症状のみの観察ではなくQOL評価も行い,さらに,血清TARCなどの病勢マーカーの推移も念頭に入れる必要があると思われた.
  • 五十嵐 敦之
    2017 年 34 巻 4 号 p. 462-467
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/26
    ジャーナル フリー
    目的:2014年9月に活性型ビタミンD3とコルチコステロイドの両剤を配合したカルシポトリオール水和物+ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬(以下ドボベット®軟膏)が日本においても使用できるようになった.そこで,日本人乾癬患者に対する日常診療においてドボベット®軟膏がどのような有益性をもたらすか,2015年3月から9月に当院皮膚科外来にて診察した乾癬患者について検討した. 結果:乾癬患者111名のうちドボベット®軟膏を処方した患者数は67名(60.4%)であった.ドボベット®軟膏を使用した67名中の継続率は,その後の未来院3名,治験の為に中止した5名を除くと,78.0%(46名/59名)であった.前外用療法においてstrongestクラスであるクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏を使用していた患者15名について,ドボベット®軟膏に切替えた場合について検討を行ったところ,15名中11名(73.3%)が完全にドボベット®軟膏に切替えることが出来た. 結論:ドボベット®軟膏継続例は68.7%と良好であり,さらに継続例のうちドボベット®軟膏単独にて治療するようになった患者は72.3%であり,本剤が乾癬外用治療において受け入れられやすい治療法であることが示された.また,有効性,安全性そして費用面から考えても,strongestクラスのステロイド外用薬による乾癬治療より,ドボベット®軟膏による治療が望ましいと考えられた.
  • 佐藤 俊次, 原田 和俊, 坪井 良治
    2017 年 34 巻 4 号 p. 468-472
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/26
    ジャーナル フリー
     80歳,男性の左頬部に生じた黒青色の結節.1年の経過で7ミリ大まで拡大し皮膚癌を心配して受診した.臨床症状・ダーモスコピー所見からは結節型メラノーマ・基底細胞癌・青色母斑を疑った.再診時には結節はつぶれていたため,基底細胞癌・血管腫を疑い生検した.病理組織学的所見は,一部に血管内乳頭状内皮細胞過形成(IPEH)の所見を伴った血管拡張性肉芽腫であった.通常,血管拡張性肉芽腫はダーモスコピーでは鮮紅色から暗赤色を示す.IPEHにより血栓の再疎通が繰り返されたため黒青色を示したと考えられた.黒青色の病変は積極的な生検が必要と思われる.
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