日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
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34 巻 , 5 号
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論文
  • 伊藤 寿啓, 安部 正敏, 島田 辰彦, 菅井 順, 東山 真里, 根本 治
    2017 年 34 巻 5 号 p. 555-563
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/08/17
    ジャーナル フリー
    目的:尋常性乾癬の治療にカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬(以下Cal/BDP配合外用薬)が登場したことにより生じた治療実態の変化を把握する.
    方法:調査協力に同意を得られた全国の皮膚科において,尋常性乾癬患者で調査参加に同意を得られた患者を対象に,3ヵ月間のアンケート調査を実施した.そのうち更に調査協力を得られた医師及び患者を対象に1年後調査を実施した.
    結果:尋常性乾癬患者658例より調査協力が得られた.Cal/BDP配合外用薬の1日1回塗布によりm-PASIスコアは,1ヵ月後には調査開始時から有意に減少し,1年後も有意な減少が維持された.乾癬特異的QOL評価尺度のPDIスコアも1ヵ月後には調査開始時より有意に減少し,1年後も有意な減少が維持された.また,患者の87.9%が1年後もCal/BDP配合外用薬の治療継続を希望した.上肢・体幹・下肢の病変91.4%において調査開始時よりCal/BDP配合外用薬が継続され,病変の85.0%が他の外用療法からCal/BDP配合外用薬へ切替えられた.副作用は調査開始から3ヵ月後までに15例(2.7%)に認められたが,1年後時点では副作用は認められなかった.
    結論:Cal/BDP配合外用薬が1日1回塗布で速やかに皮膚症状及び患者QOLを改善し,1年後も優れた効果を維持し安全性の問題は認められなかった.Cal/BDP配合外用薬を1年間塗布した患者のアンケートから,約90%で同治療への選好が示された.一方で,経時的にアドヒアランスの低下が認められることから,外用療法指導の重要性が再確認された.
  • 林 伸和, 小島 愛, 内方 由美子, 舛永 安繁, 中村 圭吾
    2017 年 34 巻 5 号 p. 564-573
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/08/17
    ジャーナル フリー
     尋常性痤瘡患者に対する過酸化ベンゾイルゲル(ベピオ(R)ゲル 2.5 %,以下,本剤)の日常診療下における安全性及び有効性について,本剤使用3ヵ月後までの中間集計結果をもとに検討した.
     解析対象症例378例中57例(15.1%)に副作用を認めたが,重篤なものはなかった.適用部位の皮膚刺激症状(紅斑,刺激感,乾燥,瘙痒感,皮膚剥脱,疼痛)のほとんどは本剤使用開始後1ヵ月以内に発現していた.皮膚刺激症状の発現率について,性別,年齢,尋常性痤瘡の重症度による一定の傾向はなかったが,敏感肌では有意に高かった.接触皮膚炎は5例(1.3%)に認められ,その発現時期は本剤使用開始後5〜20日であった.
     全顔の皮疹数の減少率(中央値)は,本剤使用3ヵ月後において,炎症性皮疹が75.0%,非炎症性皮疹が61.3%,総皮疹が67.7%であった.12歳未満の小児患者においても良好な結果が得られ,特に炎症性皮疹数は12歳以上と比較して有意に高い減少率であった.全般改善度で「著明改善」または「改善」と判定された症例は、顔面で377例中271例(73.4%),顔面以外で32例中18例(58.1%)であった.Skindex-16日本語版を用いたquality of life評価では、症状,感情,機能および総合スコアの全てが本剤使用3ヵ月後に改善していた.
     以上より,本剤は尋常性痤瘡の急性炎症期における有用な治療選択肢の一つであり,小児患者に対しても有用な薬剤となり得ることが示唆された.
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