爪白癬の診断および治療経過観察にはKOH直接鏡検による真菌要素の確認が不可欠でありダーモスコピーによる観察も有用である.治療は経口抗真菌薬または爪白癬治療外用薬である.本邦における爪白癬原因菌のほとんどは
Trichophyton rubrumと
Trichophyton mentagrophytesである.急速に高齢化社会が進んでいる本邦では年齢と伴に罹患率が上昇する爪白癬において,世界に先立ち10%エフィナコナゾールおよび5%ルリコナゾールの2剤の爪白癬治療外用剤が処方可能となり,新たな治療戦略を立てることができるが,外用剤による副作用としても爪甲の白濁が生じうる外用治療においては皮膚科医による正確な診断と経過観察でのKOH直接鏡検が必須である.
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