日本臨床皮膚科医会雑誌
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35 巻 , 3 号
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論文
  • 三津山 信治, 樋口 哲也
    2018 年 35 巻 3 号 p. 482-487
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    ジャーナル フリー
     当院におけるカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬(以下,配合外用薬)の使用状況について,2014年10月から2016年4月までの18ヶ月間の使用状況をレトロスペクティブに解析した.対象患者は,乾癬患者125例(男性96例,女性29例),平均年齢57.8歳(21~90歳).乾癬患者の病型は尋常性乾癬114例(91%),関節症性乾癬8例(6%),滴状乾癬2例(2%),乾癬性紅皮症1例(1%)であった.配合外用薬使用時の併用療法は,生物学的製剤7例(6%),ナローバンド UVB療法14例(11%),ナローバンド UVB療法とエトレチナートの併用7例(5%),シクロスポリン10例(8%),外用療法単独が85例(68%)であった.配合外用薬の継続状況は,配合外用薬を継続できているのは100例(80%)に対し,配合外用例を中止し前外用薬を継続している例が25例(20%)みられた.配合外用薬の主な中止理由は,前外用薬の方が効果が高かったという理由であり,前外用薬の大部分は,活性型ビタミンD3外用薬とステロイド外用薬を混合調剤した混合外用薬であった.配合外用薬を中止した症例の臨床的特徴は,外用療法以外の併用療法は行っていない外用治療単独が23例と最も多くみられ,皮疹の特徴としては,背部や下腿の厚い鱗屑や強い浸潤を伴う紅斑が多く認められた.
  • -ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較多施設共同試験-
    川島 眞, 加藤 俊之, 藤井 千恵, 加藤 るみこ
    2018 年 35 巻 3 号 p. 488-496
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    ジャーナル フリー
    再発型単純疱疹(口唇ヘルペス,性器ヘルペス)患者に対するファムシクロビル(FCV)の1日治療の有効性および安全性について,ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で検討した.
     本試験では,FCV 1000 mg(FCV錠 250 mgを4錠)又はプラセボを単純疱疹の前駆症状発現から6時間以内に1回目を服薬し,2回目を1回目から12時間後に服薬した.
     1134例の患者がFCV群又はプラセボ群にランダム化された後,531例が治験薬を服薬した(Intent-to-treat).主要評価項目はIntent-to-treatからAborted lesion症例を除いた集団373例を対象に解析した.主要評価項目であるすべての病変部位が治癒するまでの時間の中央値は,FCV群で4.7日,プラセボ群で5.7日であり,FCVの1日治療は,治癒までの時間を有意に短縮した(P=0.008).副次評価項目である病変部位のウイルスが消失するまでの時間およびすべての病変部位が完全痂皮化するまでの時間についても,有意に短縮した(それぞれP=0.042,P=0.004).有害事象の発現率はFCV群で19.0%(50/263例),プラセボ群で11.6%(31/268例)であり,重篤な有害事象は発現しなかった.以上より,FCVの1日治療の有効性が検証され,高用量投与による安全性上の問題は認められなかったことから,本治療法は再発型単純疱疹の有用な治療選択肢の一つとなることが示唆された.試験登録番号JapicCTI-163223
  • ~実例に基づくコンセンサスミーティングメンバーからの提案~
    川島 眞, 黒川 一郎, 林 伸和, 渡辺 雅子, 谷岡 未樹
    2018 年 35 巻 3 号 p. 497-507
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    ジャーナル フリー
     近年本邦の尋常性痤瘡治療薬,特に外用薬の選択肢が充実し,欧米の治療水準に到達した.それらを選択使用するための治療ガイドラインも策定されている.しかしながら,実地臨床の場では,個々の患者の多彩な症状に応じて薬剤選択を行うが,ガイドラインでの推奨度に応じて自動的に決定できるものではなく,様々な患者背景を考慮して試行錯誤を繰り返すこともある.そこで,日常診療上でしばしば遭遇する尋常性痤瘡の症例を写真で提示し,その患者の年齢,生活様式,経済状況なども考慮したうえで,いかなる治療薬を選択すべきかについて5名の痤瘡治療に精通した皮膚科医により案を作成し,それを27名の痤瘡治療に積極的に取り組む皮膚科医で討議し,コンセンサスを作り上げた.中高生,青年期,社会人の各年代層の顔面の尋常性痤瘡を6ケース,体幹部の尋常性痤瘡を2ケース,特殊な例として下顎部の痤瘡1ケース,アトピー性皮膚炎の合併2ケース,炎症後紅斑,炎症後色素沈着を各1ケース,全体として13ケースについて検討した結果をここに報告し,診療の参考としていただきたいと考える.
  • 坪光 知子, 澤田 美月, 出来尾 格, 二宮 淳也, 石崎 純子, 田中 勝, 原田 敬之, 亀井 克彦
    2018 年 35 巻 3 号 p. 508-513
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    ジャーナル フリー
    53歳女.東京都某区在住.園芸など土いじりの生活歴はない.野良ネコを含む複数のネコを飼育している.初診の6か月前,右手背を虫に刺された後,皮疹が遷延・増悪し,手背近位側から手関節・前腕へと拡大した.201X年7月当科初診.右手背に小豆大から大豆大までの紅色結節が列序性,飛び石状に分布する.示指基部には黄色痂皮を付し,手背には表面びらんを呈し,一部融合している.前腕では短い線状痕が数個みられる.真菌学的には,手背の痂皮と皮膚生検組織片から培養したサブローブドウ糖寒天培地(25℃)よりSporothrix (以下S.) schenckii species complex を検出,遺伝子解析により,S. globosa と同定した.病理組織学的には,表皮は不規則に増生し偽癌性増殖を呈する.真皮内に好中球が集簇する微小膿瘍と,肉芽腫性炎症細胞浸潤がある.以上よりリンパ管型スポロトリコーシスと診断した.前腕の線状痕についてはネコの掻き傷など別症も考慮された.感染経路は,ネコに付着した土からの感染や,感染したネコから人畜共通感染症として発症した可能性を考えた.治療は初診の半年後の開始となり,ヨウ化カリウム300 mg/day が投与されたが,14日間処方以降受診が途絶えた.約2年後の再診時,皮疹の大部分は軽快しており,治療効果のみならず,原因菌の至適発育温度が低いことに関連して自然治癒の機序が加わったと考えた.しかし,左手背には自家接種と考える皮疹の新生があり,同様の真菌学的所見から治療の追加を要した.併用注意薬のカルシウム拮抗薬変更の上,イトラコナゾール100㎎/day (イトリゾール®)約3か月内服にて略治した.近年,遺伝学的同定がなされるようになったが,本邦報告における原因菌はいずれもS. globosa であり,自験例も同様であった.今後,スポロトリコーシスの最も優位な原因菌として定着していくであろう.
  • 清水 香, 川瀬 正昭, 江藤 隆史
    2018 年 35 巻 3 号 p. 514-517
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    ジャーナル フリー
    8歳男児.両側下肢の紫斑,両側手首,左足首,両膝の疼痛,発熱を主訴に来院.初診時,咽頭,扁桃の発赤と両下肢全体に浸潤の触れる紫斑を認めたため,下肢の紫斑より皮膚生検を施行.leukocytoclastic vasculitisの病理所見から,IgA血管炎と診断した.ビタミンC,トラネキサム酸,アセトアミンフェンの内服とステロイドの外用で治療を開始したが,関節痛が持続しており,皮疹も新生したため,ジアミノジフェニルスルホン(DDS)1mg/kg/日を開始したところ,症状が速やかに改善した.その後DDSを徐々に減量し,内服を開始してから約半年でDDSの内服を終了とした.以後1年経過しているが再発はない.
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