日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
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ISSN-L : 1349-7758
36 巻 , 5 号
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論文
  • 原田 和俊, 安部 正敏, 佐藤 友隆, 小林 美和, 中野 眞
    2019 年 36 巻 5 号 p. 602-611
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
    目的:爪白癬治療の中断理由を明らかにし,治癒のために必要な要因を検討した. 方法:爪白癬と診断され,「自分で治ったと判断した患者」および「自分の判断で治療を中断した患者」(治療中断群:以下,中断群),または「医師に治癒したと判断された患者」(治療完了群:以下,完了群)を対象にインターネットアンケート調査を実施した.中断群,完了群で年齢,性別が同数となるようにした.中断群と完了群の回答を比較検討した. 結果:416例(中断群:208例,完了群:208例)から回答を得た.中断群では,外用薬を処方された患者が多かった.完了群では,爪白癬診断時に医師から様々な説明を受けている患者が多かった.中断理由は,「自覚症状がなく治療を続ける必要性を感じない」,「治療が面倒」,「薬を使って爪がきれいになってきた」,「治療のために時間をとるのが難しい」が多く,治療を継続するためには,「早期の効果の実感」,「治療期間が短い」,「医療機関のサポート」が必要であるとの回答が,完了群と比較して中断群で多かった. 結論:治療中断理由は,爪白癬に対する認識不足,効果の自己判断,通院期間や治療期間などであった.爪白癬治療を完了させ,治癒に導くためには,医師からの十分な説明と爪のケアなどを含めた経過観察に加え,治療薬が適する病型,患者背景および生活スタイルを考慮した薬剤選択が重要となることが示された.
  • 新澤 みどり
    2019 年 36 巻 5 号 p. 612-620
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
    粉瘤(表皮嚢腫)の治療法として,小切開で摘出できる口唇形切開法を考案した.本法の特徴は2種類の切開を組み合わせることである.まず,粉瘤の表面に,毛孔開口部(へそ)を含んだ紡錘形に浅い切開を入れる.次いで紡錘形の中央を長軸に沿って深く切開して嚢腫壁を破り,その切開口から内容物を可及的に圧出する.その後,紡錘形切開部から嚢腫壁を連続的に剥離して摘出する.癒着や瘢痕化がなければ完全な摘出も可能である.炎症性粉瘤97例に本法を施行し,3年後の再発率は8例(8%)であった.炎症を伴わない粉瘤26例を本法で切除し,嚢腫壁に癒着のあった1例(4%)を除いて再発はなかった.口唇形切開法は,直径2cm以上の粉瘤に対し,直径の半分程度の切除で内容物の除去と嚢腫壁の全摘出を可能にする.炎症性粉瘤に対しても切開排膿と嚢腫壁除去を同時に行うことにより再発率を低く抑えうる可能性を示した.
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